第9話 新スキル1
まず、カバンを回収した。
期待して中身を取り出す。次々に地面に並べて行くと、それがあった。
一枚の巻かれた紙を広げてみる。
「やった……。地図だ!」
今一番必要な物だ。現在地が分からないで、まだ使えないけど、これで脱出の可能性が出て来た。
それと、薬品類が各種。これらは、中身が分からないので使えない。
最も嬉しかったのは、毛布などの布類だ。これで、色々作ることが出来る。
他の物を確認して行く。
「これはなんだろう……、文字の書かれた金属のプレート?」
文字だとは思うけど、読めない。
チェーンの付いた金属のプレートに文字が掘られている。それが、大量に手に入った。それらを集めて山にしておく。
その後、魔石を回収して回った。大小様々だが、MPの少ない俺には、命綱になる。魔石は、服についているポケットに仕舞えるだけ仕舞った。残った魔石は、集めて山のように積み上げた。
ちなみに、一番始めの熊とクワガタの魔石は使い切っている。魔石は使い切ると、跡形もなく消えてしまう。
これはありがたい。灰のように残った場合は、ポケットの掃除が必要だったからだ。
徐々にだが、準備が出来始めた。
だけど、まだ確信は持てない。もう一手欲しい。
◇
カバンに入っていたのは、地図と薬品、水筒と干し肉、料理道具各種だった。
マントも手に入った。毛布は匂ったので、池の水をかけて、今は干している。
水筒の中身は、一度捨てて、濯いでから使う。最悪煮沸すれば、飲料水を保管するだけなら問題ないはずだ。
「干し肉は、……食べられそうにないな」
時間経過なのか、保存状態が悪かったのかは分からない。だけど、酸っぱい匂いがしたので、森に捨てた。
とりあえず、キャンプ用品一式を手に入れられたのは、良かったと思う。
それと、武器防具だ。
武器は剣のみだけど、何本か魔力を帯びている物を見つけた。それらは回収する。
防具は、色々と迷ったけど、チェーンメールと金属製の脛当てを選ぶことにした。
フルプレートアーマーで防御重視にするか、軽装備で回避に専念するかで迷ったけど、回避を選んでみた。
まだ出会っていないが、即死系の猛毒を持つ魔物がいた場合は、重装備でもアウトだと思う。それに、これからこの地を離れなければならない。重装備は選べなかった。
最後にステータスだ。
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名前:ショート・シンドウ
レベル:347
HP:100
MP:101(+51)
STR(筋力):100
DEX(器用さ):10
VIT(防御力):70
AGI(速度):65
INT(知力):86(+51)
スキル:スマホ所持
ユニークスキル:裏当て
魔法:雷
称号:異世界転移者
スキルポイント:245
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「……ステータスごり押しよりも、今はスキルや魔法とかが欲しいんだよな」
昨日は、幸運が重なっただけ。そう考えた方が良いと思う。
それよりも、防御系や回復方法が欲しい。特に薬品みたいなのは、使えるかどうかも分からないし。
ここで、またスマホが鳴った。
『魔石の中に、〈技能石〉が混じっています。割って使ってください。神様より』
頭をガリガリと掻く。
「……技能石が何なのか分からないし、この山の中からどうやって見分けるんだ?」
ため息を付いて、魔石の山を崩した。俺は、指示された通り技能石とやらを探し始めることにした。
◇
「これかな?」
一つだけ模様が書かれた魔石を見つけた。他の物と明らかに違う。
未知の物だけど、躊躇う必要はない。今の俺に必要な物のはずだ。
俺は、技能石を割った。
頭に声が響いた。
『ステータスに〈スキル:結界術〉を付与します』
……説明はこれだけ? 解説なし?
再度、ステータスを見る。
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名前:ショート・シンドウ
レベル:347
HP:100
MP:101
STR(筋力):100
DEX(器用さ):10
VIT(防御力):70
AGI(速度):65
INT(知力):86
スキル:スマホ所持、結界術(NEW)
ユニークスキル:裏当て
魔法:雷
称号:異世界転移者
スキルポイント:245
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俺は、ステータスボードの〈結界術〉に触れてみた。
頭に声が流れ込んで来る。
『空間魔法の一種。指定した空間に魔力を充満させることにより、自分に都合の良い空間を生成出来る』
良かった、説明なしであったならば、死蔵させていたと思う。
俺はさっそく、結界術の練習を始めた。
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