(三)-2
山の斜面を転びそうになりながらも足早に進んで行く途中、銃声と、弾丸が木に当たる音が聞こえた。敵はこちらの位置がわかっているらしい。でも弾が当たらないのは、僕たちを焦らして狩りを楽しんでいるということなのか。
ともかく、僕たちはそんな音は無視して、先に進んでいった。
僕たちの左右にも草木がこすれたり枝が折れる音が聞こえた。さっきの人影が僕たちを追ってきているのだろう。
運動と恐怖で息が荒くなっていた。肩で息をしなくてはならなかった。
(続く)
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