(二)-11

 次の瞬間、銃声が鳴り響いた。結構大きな音で、近くで発砲されたものだと、軍隊経験がなくてもわかった。さらに半瞬遅れてうめき声が聞こえた。

 そしてイルマに覆い被さるように人影が倒れた。暗くてすぐには誰だかわからなかったが、目をこらして見てみると、僕と同じカヘティ国立大学の学生のニコライ・ピロスマニとわかった。デザイン専攻の割にはいまいちセンスの足りない服装のコーディネートで気づくことができた。

 二人目の犠牲となったニコライは、頭を撃たれていた。後頭部から血が心臓の鼓動と同調して吹き出したり勢いが弱まったりしていた。


(続く)

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