(二)-8

 そうして僕たち七人はアディレバイジェン共和国を目指して森に入っていった。

 みんなで離れないように一列になって歩いて行くと見つかる可能性があったので、散開して進んでいった。

 とはいえ、ここは国境地帯の人が少ない場所だった。なんといっても山の斜面の森林地帯だった。軍もこんなところまでは来ないと思っていた。僕も、みんなも。

 それに空は晴れていたが新月で月明かりはなかった。だから森の中は真っ暗闇に閉ざされていた。だったらなおさら見つかる可能性はないんじゃないか。僕たちは森に入る前に、そう話していた。


(続く)

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