第12話
「さて『能力』については後日に回し、二つ目の話に戻ります。ご存知の通り『
瑠華や紫苑を始め、実戦経験者ならば周知の事実ではあったが、やはり『
表情が見事に固まる。
自分達が『
いたけれど、まだ『
実際の『位階』がどうしようもなく低かったら……という悪夢を見るのは、『
『S組』になった者が低い『位階』になったという話は聞かない。
けれど、もし自分がその最初の一人になったのならばという事は、考えないようにすればするほど頭に浮かぶものだ。
『
紫苑の前に遅れて入室した、瑠華にとって胸が詰まるほど懐かしい面影のある少年だ。
「今挙手した廊下側一番後ろ。どうぞ」
やはり霧虹は名前では呼ばない。
その事に少年は苦笑した後、意思の強さを感じさせる赤紫の瞳を真面目なものに変えて口を開く。
「ゲームみたいに『モンスター』を倒したらレベルアップってしないんですか?」
少年の問いにクラスの大半は目を輝かせて教官の返答を待っているのを感じながら、霧虹は薄い笑みを浮かべながら話し出した。
「ゲームの様にというのはありません。能力や技は訓練をすればするほど磨かれますし、習熟すればするほど威力と精度は上がります。各々の上限までは強くなれるでしょう。ですが『
クラス中の雰囲気が様々な理由から心配そうな色に染まる中、霧虹は空気を切り替える様に一拍手を叩いてからまた話し出した。
「では最後の三つ目の説明をします。これは心に刻み込みましょう。『
そこで一旦言葉を切った霧虹は、クラスの大半が余計に不安そうになるのを見て取ったというのに、更に爆弾を放り込んだ。
「それを実戦で憶えこんで頂こうと思いますので、一学年全員をクラス関係なしにシャッフルして『組』を作りました。これから一学年共通屋内訓練場で顔合わせをします。詳しい話は訓練場で。自らより下の『位階』であり別の『系統』と組んだとしても侮蔑はいけません。という訳で、我々教官と皆さんの自己紹介は明日になります。ご了承下さい」
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