376話 バトルジャンキー
メイは既に戦闘音が聞こえている場所に向かった。
魔族の集団が兵士と戦闘を行っているが、兵士側は魔族に有効な攻撃ができていないようだ。
「ほとんどが下級魔族のようですが、並の兵士では歯が立ちませんか。」
そう呟きながら兵士の前に割って入り、一閃で魔族を両断する。
油断していた魔族は抵抗する事なく、倒れた。
「あなたが隊長ですね?ここは私が食い止めます。まずは市民の避難を。」
「しかし、1人に任せる訳には…」
「あなた方が何人いようと変わりません。それよりも周囲に人がいなくなった方が私も心置きなく戦えます。」
「…分かった。お前たち、聞いていたな!撤退する!」
「逃がすと思っているのか。」
「よそ見するとは、余裕ですね。」
兵士達を追いかけようとした魔族に剣を振り下ろしたが、あと少しで避けられてしまった。
「あら、残念ですね。腕1本しか持っていけないとは。腕が鈍っているのでしょうか?」
メイを獲物ではなく、全力で殺すべき敵だと認識した魔族達は兵士を追いかける事を諦めた。
「貴様、何者だ。」
「ただの学生ですよ。さっさと終わらせましょう。あの魔王とやらを止めなければいけませんからね。」
「ここで貴様は殺す。我らの前に立ち塞がったこと、後悔するなよ。」
「後悔なんてしませんとも。久々にスリルのある戦いができそうですね。」
10人の魔族がメイに狙いを定める。
近接戦闘が得意な4人が同時に飛びかかり、周りを取り囲んだ5人が魔法でメイを狙い、1人が万が一のために魔力障壁や回復の準備をしておく。
連携は完璧で、今までの強敵はすべてこの作戦で倒すことができた。相手がメイでなければの話だが
メイは魔族達には視認できない速度で剣を振るう。
近づいた4人は武器を振るう前にその首を落とされ、放たれた魔法は死体を盾にしたり、剣で斬り裂いて消滅させた。
次の瞬間には魔法を放った魔族の首が飛び、残りは1人だけになっていた。
「な、何があった…」
「長年のクセですね。殺気を向けられると、ついやりすぎてしまいます。もう少し遊べたかもしれないのに、残念ですね。」
「貴様!」
最後の1人が魔法を撃とうとした時にはメイの姿はなく、その後には首を跳ねられた死体が11体あるだけだった。
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