283話 しぶとい
「今年も剣姫祭の季節ね!」
「なんですか唐突に」
「そう言えばそんなもう時期なんだね。みんなはどうする?私は出るつもりだけど。」
「もちろん、私も出るわ。去年はクレソンに負けたけど、今年こそは負けないわよ。」
「私も出ます。」
「「ええ!」」
「なんですか。」
「興味無いのかと思ってたわ。」
「昨年はゴタゴタしていましたから、見送りましたが、今年は出ます。クレソンに壁の高さを教えてあげなければいけませんし。」
「メイちゃんが出るならEクラスの勝ちじゃん。」
「ハンデくらいならあげますけど」
「え、本当!」
「そんなことしちゃダメよ。由緒ある神聖な大会なんだから。」
「そうだよね…」
「研究室の大会の方はどうしましょうか。」
「今年は私が出るよ。去年はメイちゃんに負担を掛けちゃったから。」
「お腹を出して寝るから風邪なんてひくんですよ。」
「あはは…」
「昨年はゴタゴタしてましたからね。」
「魔物の群れが来てたものね。」
「そういえば、メイちゃんは真っ先に行くと思ってたんだけど、その場にいなかったよね。何してたの?」
「色々ですよ。それに他の冒険者の食い扶持を奪う事はしたくありませんでしたし。」
「ふーん。」
「メイが色々って言う時は何か企んでいる時よ。」
「なんですか、それ」
「何をしてたのか話しなさい!」
「避難の誘導に従ってただけですよ?」
「これは…」
「…嘘ね」
「何でですか!」
「話さないなら、こっちにも考えがあるわ。」
「考えとは…」
「こうするのよ!えい!」
「ちょ!何するんですか!アハハッ!」
「私もやっちゃおうっと。えい」
「やめっ!くすぐるのは!反則…!アハハ!」
「話せばラクになるわよ。」
「意地でも言いません。」
数分後
「はぁはぁ、しぶといわね。」
「ぜぇーぜぇー。いい加減諦めてください。」
「はぁはぁ、メイちゃんをくすぐるの楽しいかも…」
「何言ってるんですか!?」
「メイちゃん良い反応するんだもん。」
「手をワキワキさせながらこっちに来ないでください…!」
「あ!逃げた!待てー!」
「仲良いわねー。」
「よ、カレン様。」
「あら、クレソンじゃない。放課後に学園に残っているなんて珍しいわね。」
「剣姫祭のことで色々話し合ってたんだよ。それがさっき終わってさ。窓の外を見たら3人がいたから来てみたんだ。」
「あらそうなの。今年はメイも出るって。」
「マジで?これは下手な戦いをしたら死を招くな。それよりもアレ何やってんの?」
「2人でじゃれあってるのよ。」
「あ、アリュールが飛び込んだ。師匠はそれを軽く受け流してくすぐり始めた…」
「ね?じゃれてるでしょ?」
「いや、ホントに何やってんの?」
「私が始めたことだけど、分かんない」
「何だよそれ…」
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