250話 デート
本日2話目です前話読んでいない方はそちらを読んでから読むことをオススメします。
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「あ!メイさんこんなところにいた!この前は大変だったんだぞ!」
「英雄と言われているらしいじゃないですか。よかったですね。」
「全然よくない!というか、女の子が戦ってたって噂になってたぞ。観念して名乗り出たらどうだ?」
「却下ですね。目立つことはしたくないと言ってるでしょう。ただでさえ、あなたと知り合いということで少し目立っているのに」
「まあ、俺が声を掛ける女の子はギルドの受付嬢を除くとメイさんだけだからな。」
「モテないんですか?」
「モテるよ。自分で言うのもなんだけど、俺の顔悪くないだろ?少なくともブサイクではないから、財産目当ての人が寄ってくるんだよ。」
「それは大変ですね。じゃあ私はこれで」
「そうすぐに帰ろうとしないで、この街の案内でもしてよ。まだこの街のことよく分かってないんだよ。」
「私も詳しくは知りませんよ。最近は外出することも少なかったので、色々変わっていると思いますし。」
「でも、地理は変わってないから俺よりも知ってるだろ。いいじゃないか。」
「はあ、あなたももの好きですね。私に案内して欲しいなんて」
「そうかな?メイさんは魅力的だと思うけど。」
「な、何を言ってるんですか。冗談はやめてください。」
「アハハハ」
「結構変わってますね。」
「どれくらいの間、来てなかったんだ?」
「2ヶ月くらいですかね?」
「どういう生活をしてたんだ。」
「学園の行き帰りくらいですかね?あとはスラム街にも行きましたけど、商業区はほとんど来なかったですね。」
「メイさんくらいの歳の子ってアクセサリーとか欲しいんじゃないの?」
「別に、というかいらないと言っても渡されるので、逆に処分に困ってるんですよ。」
「意味わからん。」
「せっかくですし、スイーツでも食べませんか。」
「いいね。臨時収入もあったし、ご馳走するよ。」
「いいんですか?それじゃあ遠慮なく。それじゃあ、あそこに行きましょう。実は友人にオススメされてたんですよ。」
「ふむふむ、何の店なんだ?」
「パイのお店らしいですよ。」
「女の子ばかりで肩身が狭そうだ。」
「大丈夫ですよ。男1人で食べに来るという人もいるらしいので。」
「なんだその猛者は…!」
「精神力がSランク冒険者を上回っているんですよね。」
「うん、俺だったら耐えられないな。」
「それはともかく、早く行きましょうか。」
「お、おう」
「かなり長い行列だな。」
「ここに並んだこと少し後悔してます。」
十数分ほど並んだあと目当てのパイを買ったメイ達は、店から少し離れたベンチで食べることにした。
「ん〜、これはアレですね。噂が1人歩きしたタイプのヤツです。」
「確かに、あんなに並んで食べる程の物じゃないな。」
「美味しそうではあったんですが、普通のパイでしたね。」
「不味くはないというか、美味しい部類ではあるんだけどな。」
「でも、あの店は調べておかないといけませんね。」
「気に入ったのか?」
「違いますよ。このパイ魔法がかけられているんです。催眠の類いで、1口でも食べれば、もう一度食べたくなって仕方なくなるという物です。」
「それは、普通に犯罪じゃねえか。俺たちはなんで大丈夫だったんだ?」
「魔法に対する抵抗力の違いですよ。かなり上手く隠蔽されていますし、計画的な犯行とみて間違いないと思います。」
「マジか、せっかくのデートだったのに、こんな事件に遭遇するなんて…」
「こんな事件にというのは同館ですが、デートではないです。」
「…俺は悲しい!」
「話聞いてます?」
「それはそれとして、どうするんだ?」
「犯罪の証拠を掴んで、通報するなり、揺するなりします。」
「それ恐喝って言うんだぞ?大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。バレなきゃいいんですから。」
「自白してるの分かってなさそう。」
「何言ってるんですか。この話を聞いたということは、既に共犯ということなんですよ。」
「それは理論がおかしい。」
「逃がしはしません。」
「や、やめてぇぇえ!」
これからに不安しか感じないピーターだった。
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