124話 個人授業
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授業が始まってから少し経った。
「魔法学の授業難しすぎるよ。」
「そうですか?もう少し難しくてもいいと思うのですが。」
「メイちゃん何読んでるの?」
「これですか?」
「何々、『世界の法則と魔道学』?うわ、見る気にもならないよ。」
「なかなか面白いですよ。」
アリュールは本のページをパラパラと捲って目を通している。
「こんなの無理だよ。こんなの理解できない。」
「こんなの中級編レベルじゃないですか。」
「研究者じゃないと理解できないよ!」
「あ、なんで分からないか、分かりましたよ。」
「どういうこと?」
「簡単なことですよ。ある物質を知っているか知っていないかで理解度がかなり変わるんです。」
「ある物質って?もったいぶってないで教えてよ。」
「原子や分子と呼ばれる極小の物体のことですよ。」
「ゲンシ?って何?」
「これの存在を知っているかどうかで分かれてくると思います。長くなるので後で話しましょうか。」
そうしていると教室にダニエルが入ってきた。
「突然だが、クラス委員を決めることになった。」
今さらかよ。一週間くらいたってるんだけど。
こういうのってもっと早く決めるものだろ?
「いらないかな~と思ってたらやっぱりいるって言われたんだよ。」
アンタ何年教師やってんだよ。この前五年やってるって言ってただろ。
「やりたい奴いるか?」
適当すぎる質問に一人の生徒が手を挙げた。
「はい。私わたくしがやりますわ!」
確かあの人は…そうだ、子爵令嬢だって言ってたな。
名前は覚えてない。
「お、やってくれるか。えーと、ミレーナ・ミスクだな、よろしく。」
「ええ、このクラスで一番高貴な身分である私わたくしがこのクラスをまとめることが一番丸く収まるのですわ!」
またクセが強いのが出てきたな。
まあ、やる気があるなら問題無いと思うけど。
「じゃあ、よろしく頼むぞ。早く決まってよかったよ。…これで今日も飲みに行けるな(ボソッ」
ボソッと何言ってるんだよ。聞こえてるんだよ。
生徒の前で飲みに行く時間を気にする教師がどこにいるんだよ。
「んじゃ、今日は解散だ。」
そそくさと教室を出ていくダメ教師。
アレがいい教官だって言われてるの?
大丈夫かなこの学園。
「明日は実技の授業があるんだって。」
「そう言えば今まで実技ありませんでしたね。どうしてでしょう?」
「演習場の補修工事やってたからって聞いたよ。それが今日で終わるから明日に実技があるらしいよ。」
「そうなんですか。実技は大丈夫なんですか?」
「大丈夫な訳ないよ!今から憂うつで仕方ないよ…そんなことはどうでもいいよ。さっきのこと教えてくれるんでしょ?」
「そうですね。じゃあ、原子の説明をしましょうか。」
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