122話 クラス分け
今日は合格発表の日だ。
え?家に遊びに行くって話はどうなったかだったて?
もちろん、遊びに来たよ。クレソンは死にそうな顔してたけど。
アリュールはカレンが貴族だとは思ってなかったようで、ふぇぇって言ってた。
サキはアリュールと波長が合ったようで、かなり仲良くなっていた。
その間、私とカイトはクレソンをシゴいていたんだけど、そのせいでアリュールには怖がられてしまったみたい。
話を戻そう。
合格発表は学園に貼り出されるらしい。
学園でいつもの4人で集まって発表を待つ。
「緊張するわね。」
「まぁ、何とかなるだろ。」
「もし落ちていたら、分かっていますよね?」
「え?嘘だろ?頼む!受かっててくれ!」
「多分皆と会うのはこれで最後だろうな、ハハハ。」
アリュールは緊張でおかしくなっているようだ。
「あ、張り出されたみたいよ。」
「俺の「私の」番号は!?」
張り出された瞬間クレソンとアリュールは飛び出して行った。
アリュールって運動できないんじゃなかった?
他の人押しのけてあっという間に見えなくなった。
カレンは集団の後ろの方からじっと見つめている。
「あ、私たちの番号ありましたね。」
「え、どこどこ?」
「あそこです、ほら。」
「あら、本当だわ。受かっててよかったわ。」
カレンは、はぁ、と胸を撫で下ろした。
クレソンは番号を見つけたようで、ニヤけた顔を隠せていなかった。
アリュールは嬉しいような落ち込んでいるような複雑な顔をしていた。
「アリュール、どうしたんですか?まさか…」
「ううん、受かっていはいたんだけどね。Eクラスだったんだ。」
「Eクラス?そう言えば私もEクラスでしたね。」
「Eクラスは成績が下から数えた方が早い人たちが集まる落ちこぼれクラスって言われてるの。」
「そういうことでしたか。まあ、とりあえずみんな合格しててよかったですね。」
「俺はDクラスだったけど、師匠より優秀とかありえないから落ちこぼれは関係ないんじゃないか?」
「私もAクラスだったけどそんなに点数をとれた気しないもの。」
「カレン様がAクラスだってことは高位貴族はほとんど上位のクラスに分けられたってことだな。俺がDなのは子爵の息子だからだな。」
「子爵だったんだ、知らなかったわ。」
「寄子だぞ?なんで知らないんだよ。」
「「興味無いからよ。」です。」
「声をハモらせてハッキリ言うなよ…。とにかく、Eクラスは成績の善し悪しじゃなくて平民が集められてるだけだと思うぞ。」
「平民を集めてどうするつもりなのかな。」
「どうもしないだろ。元冒険者の先生がいるらしいからその人に任せるつもりなんじゃないか?」
アリュールは少し疑心暗鬼になっているようだ。
私の周りには貴族らしい貴族がいなかったけどそこまで恐れるものなんだろうか。
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