121話 教官会議
教官たちが集まり、どんな人がいたのか情報交換をしていた。
「今年の受験生はどうでした?」
「筆記試験は算術が満点の子が十人ほど、もっとも難しい魔法学の満点が一人いました。あとはやはり第三王子殿下は優秀ですね。」
「魔法部門は何人か有望な子がいました。」
「剣術部門は昨年に引き続きすごいのが一人、ヤバいのが一人いましたね。」
「なんだか魔法部門だけそこまですごい子がいなかったわね。」
「昨年と言うとフラス君だったか?」
「そうですね。それと同じくらい強かったのがクレソ君、メイという平民の女の子が俺よりも強かったですね。」
「メイ?それって算術と魔法学で満点とった子じゃないか。」
「なんと、文武両道だと言うのか。」
「しかし、平民か。入学させるのは確定としても所属するクラスはどうしましょう。」
「俺のクラスに入れましょう。」
「いいのですかな?」
「しかたありません。彼女の成績では間違いなくAクラスです。しかし、そうすれば貴族たちが黙っていない、しかも彼女を抑えられるのは…いや、彼女の動きをかろうじてでも見ることができる教官は俺以外いないでしょう。」
「先生でもかろうじて見えるだけなのですか?それは凄まじいですな。」
「先生のクラスはEクラスですか。確かにそれしかありませんか。」
「順位の開示とかしていなくて助かりましたね。」
「確かに。色々と点数を改・ざ・ん・しなければいけなくなっていたでしょうから。」
メイ視点
「そう言えば魔法の試験はどんな感じだったんですか?」
「えっとね、的に向けて魔法を撃つっていう内容だったわ。その的がね、魔法金属で出来てるから傷一つつかないの。」
「なるほど、そんな感じだったんですね。」
「でもね、サキに教えてもらった必殺技を使えば傷くらい付けれたんじゃないかって思うの。」
「と言うと?」
「サキがこれは危なすぎるから試験で使うのは禁止って言うから私の一番強い魔法を使えなかったの。」
「ちょっとサキさんと話し合いをしないといけないようです。」
「どうして?」
「カレンに試験でも使えないような魔法を教えるなんて、怪我でもしたらどうするんですか。」
「メイって過保護よね。」
「試験でも使えないと言うことは最悪術者にも被害が出る可能性のある魔法と言うことです。ちなみにですが、そういう魔法のことを禁術と言ったりすることもあります。」
「禁術?なんだかカッコイイわね!」
「カッコイイで済めばどれだけ良かったか。とにかく人前で使えないような魔法を教えることはやめてもらいましょう。」
年々メイの過保護っぷりが増しているような気がしてならないカレンであった。
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試験の点数
メイ・・・算術、魔法学、実技が満点、歴史学は八割
カレン・・・すべての科目で七割程度の得点
クレソン・・・実技は九割、その他は四割程度
アリュール・・・筆記試験は全て九割、実技は最低点
以上大まかな得点でした。
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