97話 まさかの遭遇
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「それで顛末は?」
「龍に協力してもらい、遺物を破壊してきました。これが遺物の残骸です。これを遺物の残骸で、他の物はもう無いと言って欲しいんです。」
「随分と大きいわね。分かりました。任せてください。」
「大きいのを持って帰ってきたので。それと、龍から契約は終わりだと。」
「そう。分かりました。チャールズ。」
「お嬢様、お呼びですか。」
「アレを。」
チャールズが持ってきたのはお金、魔石、魔道具の三つだった。
「私どもが出せるすべての物です。これをお礼に。」
「こんなに貰えませんよ。」
「しかし、これでも足りない程の恩があなたにはあります。」
「お礼はいりません。私のはただのお節介です。」
「それでは何もお返しができません。それでは私は命の恩人に礼をしない無礼者になってします。」
「私のためだと思って受け取ってくださいませ。」
「でも…」
「その魔宝石でもよろしいのですよ。」
「こんな貴重な物もっと貰えませんよ。」
「決めました。あなたへのお礼はその魔宝石です。」
「何言ってるんですか。ご両親の形見でしょう?」
「両親の形見はそれ以外にもありますから。私は絶対に受け取りませんよ。」
「うう〜。でも。」
「でもではありません。私は本当はこれらも差し上げたいと思っていますのよ。これでもかなり譲歩して差しあげていますのよ。」
「くっ!分かりました。魔宝石だけいただきます。」
「ええ!喜んで!」
クソ〜。断りきれなかった。
はぁ、遺跡を回ってる時より疲れた。
「メイさんじゃないか。どうしてこんなことにいるんだ?」
「?あなたは確か…………。ああ!オルトさんでしたね。」
「思い出すのに結構掛かったな。まぁ、覚えてくれてたなら嬉しいよ。どうしてこの街にいるんだい?」
「まぁ、色々ありまして。オルトさんは何故ここに?」
「この街の復興の応援だよ。まさか君がこんなところにいるなんて思わなかったよ。カレンお嬢様もいるのかい?」
「カレン…マズイです。とてつもなくマズイ。」
「どうしたんだ?汗がすごいぞ?」
「一週間で帰ると言ったのに、ひと月はここにいます。しかも連絡もしていません。」
「それは心配してるだろうね。」
「怒られるならいいんですが、泣かれたりすると心にきます。しかも、この街に来た目的も果たしていません。」
「何やってるんだよ。」
「私も忙しかったんですよ。アワワワ!」
「とりあえず落ち着け。すぐに帰るなら帰る準備をする。帰れないなら手紙を書く。どっちをするんだい?」
「手紙を書きましょう。」
「どこに滞在してるんだい?」
「バークスさんっていう人の家でお世話になってます。」
「そうなんだ。じゃあ…」
「おい!オルト!何サボってんだ!」
「すいません!じゃあ俺は行くよ。気をつけてね。」
「ただいま戻りました。」
「メイちゃん、いつもは戻ってくる日に戻ってこないから心配してたのよ。」
「そうだぞ。いくら嬢ちゃんが強くても心配する人はいるんだからな。」
「はい、心配をお掛けしました。」
「その、おかえりなさい。」
「ただいまです。」
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オルトって覚えてる?
キマイラ戦の時にいたチョイ役なんだけど(笑)
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