第44話 最高の標的
「今回の爆発は、アンドロイドの外につけられた爆弾でした。その一部始終を彼が見ていました。すぐさま周りの人間に逃げるように言ったのですが・・・・」
「合法化されて困るのは、大金持ち相手にアンドロイドを制作していた人間達だろうが・・・私は眠っていたのと、その分野はよくわからない」
「偽アンドロイドの世界では完全な棲み分けが出来ていました。大金持ち相手の組織は一般の人間に売ることはない、その何倍もの金額を、一度に手に入れることが出来ますから。
だがそれが出来なくなった、でもノウハウはある、だとしたら」
「なるほど、一般の人間に手をだすか。つまり、今回の事は宣戦布告、ということか」
「自分達が来るからその傘下に入るか、明け渡せと言う事でしょう。想像以上の内紛が勃発していて、お互いの組織の情報を我々に流しています。
そして手っ取り早く多くの資金を稼ぐとしたら・・・」
「なるほど、日本という国は最適だ。
もしかしたら、君はこのことを予測して子供達に? 」
「多少の予測はしていました。そして特法局の情報漏洩で私が動けなくなった事もあります。
でも・・・何よりも子供達のあなたを慕っている心が、発見の原動力なのです。
本来ならば、私の希望としては、彼らが大人になるまでに、組織の殲滅が可能だったはずなのです。
でもそうはならなかった。
「永遠に生きる魅力」を美食の一つのように、言葉巧みに彼らは説いたのです。
数が考えられないほど増え、その抑止にと講じられた策は、世の中に危険を振りまくことしか出来ないようです」
「で・・・君は私に何を望むのか? 」
「助けてください・・・もう一度アンドロイドになって、あの子達を守ってやって欲しいのです」
「何故君がそうしない? 」
「私は、実際の戦場に出ます。若い頃の比ではない数でしょう。
もう家族には別れを言ってきました」
「死を覚悟しているというのだね」
「内側にも敵がいる可能性が大きいので」
「なるほど・・・・・・・」
しばらく静寂が訪れた。
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