第24話 兄妹(プラス)月読
夢のような入浴タイムを終えた僕は、——幼女を隅々まで洗い尽くした僕は色々とホクホクした気分で自室(と言っても素敵狛さん家の一室だが)へ戻り、思い出し何ちゃらと洒落込もうとしたのだが。
寝室に戻ると、茶子がいた。
「あの〜、ここは僕の部屋なんだが」
「おおー! 茶子ではないか〜! おっ○い揉ませろー!」
「チュクヨミちゃん、うん、いいよー」
いいのか!?
というか……チュクヨミは少し黙りなさい。とか言っても聞くわけもなく、茶子に飛び付き風呂上がりのホカホカマシュマロを堪能している。羨ましい限りの裏山。
しかし、見たところ茶子はご立腹のご様子。長い付き合いだからこそ、——兄妹だからこそわかる僅かな頬の膨らみと、いつもは嫌でも合わせてくる目線が絶妙に逸れているところがポイントなわけで。
「それよりも〜、このロリコンお兄ちゃんめが……また幼女とお風呂に……」
「あ、いやそれはだな、チュクヨミが勝手に」
「うむ、今度は茶子も
や、やりやがったぁぁぁぁ、この幼女——
「お兄ちゃん? 今のはどういう意味かな?」
◆◆◆
妹、ベッドの上。兄である僕、床で土下座。
「チュクヨミちゃんの言葉を信じて、今回は不慮の事故として処理してあげる」
「
元はと言えばお前のせいだろーが!
さておき、今日は早目に寝たいと思っていたのだが、茶子の帰る気配がない。何故か気まずい雰囲気に。そりゃそうか、素敵狛さんと混浴してきた兄だし、さすがに幻滅させたかも。
いやでも茶子は妹なわけで、やきもち的なものをやくなんてのはあり得ないはず。
私のお兄ちゃんを取らないで的なものか? ふ、いくつになっても、まこと、愛いやつよの。
「今日はここで寝る」
「え?」
「今夜はここで寝るの」
「……いや待てそれはまずいだろ!?」
「いつも一緒に寝てるようなものじゃない! べ、別にっ……ふ、普通、じゃない」
「でも人の家だぜ? 年頃の男女が一緒に寝るなんてのは色々と問題があると思——」
「素敵狛さんとお風呂に入れるのに、妹と同じ布団には入れないんだ?」
いやいや目がこわい!
茶子のやつ、何をそんなに意固地になっているんだ? とにかく、部屋に戻らせないと。
「
チュクヨミーーーーーーーー!!!!
「ほら、チュクヨミちゃんも言ってるでしょ。お兄ちゃんも早くこっち来なよ」
「ぐ……わかった……」
◆◆◆
消灯し、川の字でベッドに横たわる。夏だというのに、この部屋にはクーラーがない。扇風機のみ。
「暑いぃ、パジャマ脱いじゃおっかなぁ」
「脱ぐんじゃない、兄とはいえ、異性の前であまり隙を見せちゃいかんぞ茶子」
「それって、お兄ちゃんが私に欲情しちゃうからやめろってこと?」
また始まった。茶子の兄いじりだ。
けしからん身体で兄を誘惑して弄ぶ。時々、茶子の考えていることがわからなくなる。
「
「脱ぐなぁーー!」
あー、もう。隣に全裸幼女がいる……
「ほれ、愛でるがよい」
「僕にそんな趣味はない」
「ならば
幼女のくせに生意気なやつめ。
「そうなんだ、お兄ちゃん、ドMなのか、よし」
ん? 茶子のやつ、何か言ったか?
「ほれほれ、
「おっ○い無いだろ。無乳だよ」
「むむ、失敬な!
◆◆◆
やがてうるさかった幼女はスヤスヤと眠りにつき(勿論全裸)、部屋に静寂が訪れた。
「やっぱり、落ち着くなぁ」
「ん? 何か言ったか茶子?」
「はっ!? べ、別に何も言ってないから! か、かか、かか勘違いしないでよね、このお兄ちゃんめが! ふんっ! 死ね! おやすみ」
何だかめちゃくちゃ怒られた。
暫くすると、茶子の寝息が聞こえてくる。幼女を抱き枕にしてマシュマロが凄いことになっているのは眼福以外の何でもないが、それはさておき、僕は茶子の妖精、クランベリーに念をおくる。
——おい妖精。いるんだろ?
——いますのですわ!
——いつも思うけどさ、お前らってあまり表に出てこないよな
——普段はマスターの身体の中で魔力を蓄えているのですわ(書き手が楽をしたいだけかもですわ〜)
——なるほどな。因みにだが、茶子の願いと対価を聞かせろと言ったら?
——それは答えられないのですわ〜、本人から聞くならかまわないのですわ〜
やっぱり駄目か。その辺り、妖精たちのルール的なものがあるのだろうか。
諦めて直接茶子に聞くしかないみたいだな。
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