ある少女の詩

 しとしと雨が降っています。


 私は傘をさしません。


 なぜなら雨が好きだから。


 それはぴちゃぴちゃ心地いい時間。


 まん丸い透明はさらさらと音を立てて、草花に吸い込まれていきます。


 幸せは長く続きません。


 すぐに陽の光が足元を照らしてしまいます。


 誰もいない世界はもう終わり。


 地面は──地球は──まるで貰いすぎた恵みを返すように白い光となって天へ昇っていきました。


 私はきらきらと輝く草原を歩きます。


 ひんやりと冷たい透明が足首をつたっていきました。


 緑のそよ風が舞い上がります。


 おひたしみたいな匂いがすると、いつも思うのです。


 雨上がりも嫌いではありません。

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