閑話の自省、または三指の残り
閑話の自省、または三指の残り
赤裸々に綴ると誰に約束をしたでなし、汚泥の如く心根にこびり付いた物までをも吐露する必要は無いのだろうが、上澄みを少し吐いておく。一度目の失踪から、同情を得るにも程度を過ぎた捨て鉢で過ごしていた事に、拭い切れぬ悔悟の念が有った。
先述のような倫理観の欠落を指しての事ではない。性善性悪を論ずる気はないが、此れは諸々に抱えた趣味嗜好同様に素養が在ったと言う程度の事でしかないと考えている。彼との邂逅別離の経緯を得ていなかったとしても、腐った性根は切っ掛けを異にして何れ表出の目を見ていたに相違無い。
頃年に至り水嵩を増す様に胸中を侵す思考は、考え様に依っては其れよりも更に益体無い。それでも、幻覚や夢中に遊ぶ余生ではなく、誰かと手を携える人生が有り得たのではないかと言う仮定は浮上の頻度を日増しにしている。
転居と逝去を読み違えた事で得られなかった道は大きく二つ。便りを交わしながら帰りを待つか、別れを受け入れて
タイム、別の物吐きそう
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