五年後の夏迄-2
五年後の夏迄-2
手詰まりと言うなら今生其の物がそうに違いないが、それにしてもこの時は相当に参った。悩み抜いた末に当て処無く足を使って探し回ったと言うのは、今にして思えば可愛らしい話と言えなくもない。壮大な事実の取り違えさえ引き込んで来なければ。
端にも及ばぬ半生とは言え此れは1,2を争うポカ話の為詳細は出来得る限り割愛していきたい。此の言い訳も何度目なのか。
要約するに、折が悪かった。彼の失踪、後年に其の所以は終ぞ聞き出せなかったが恐らく治療の為の転居と遊技場の近々で起こっていた交通事故は時期こそほぼ重なっていたものの関連は一切無かったのだ。
其れを短絡思考で結び付けた私の側に大きな問題が有った事は否定しない。持った身体の瑕疵を告白出来なかった彼に手落ちが有ろう筈は無い。
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