【第3幕】『私は、社畜につき』

 ――いつも同じ夢を見る。


 その夢の中で、鴬は昔と変わらず、二人きりのオフィスの中、コチラに一瞥もすることなく、PCにかじりつくように作業を続けていて。

 終電が過ぎようが、腹の虫が鳴り続けようが、手を止めない。


 本当なら止めるべきだと分かっている。

 でも、納期は迫っているし、鴬は手の抜き方を知らない。

 半端な仕事で満足するくらいなら、ブッ倒れた方がマシという男だ。


 結局のところ、鴬に頼るしかなくなる。

 無力な自分を情けなく思いつつも、鴬を信じ続ける他なかった。


「……ごめんな」


 いつものように、謝罪したところで夢は終わる。


 そして、いつも変わらず、鴬からの返事はなかった。


        ◆


 朝日が窓から差し込むビルの廊下を、スーツ姿の庭鳥が歩いていく。


 一日前より更に早い時間帯。

 最近周囲を嗅ぎ回っている新入社員の目白も、流石に姿を見せない。

 これなら安心して、普段通りに朝のルーティンをこなすことができるはずだ。


 セキュリティを解除して、オフィスへと入った。

 いつもと変わらず、照明は深夜からつきっぱなしの状態。

 探偵が入ったところで変化などない。


 緊張を解き、もはや日課となったオフィスの掃除を始める。

 昨晩のドローンの風圧で飛び散った書類を、元の場所へと戻すために――


「そうやって、毎日トリックの僅かな痕跡を消していたんですね、庭鳥さん」


 振り返ると、すぐ真後ろにカジュアルなスーツの男――社畜探偵が鋭い目つきで立っていた。


 想わぬ事態に驚き、疑念の目を向けて問いかける。


「周囲に人影はなかったはずだよ。まさか、オフィスの中に隠れていたのかい?」


「単に、ピッタリとあなたの背後に付いて動いていただけです」


「は……?」


 そんなバカなと焦る庭鳥。

 周囲は警戒していたし、足音だってまったく聞こえなかった。

 いくら何でも、背後にいて気付かないはずがない。


 そんな庭鳥の心情を見抜くように、社畜探偵は得意げに語る。


「初対面の時にお伝えした通り、探偵は僅かな足音だって聞き逃しません。だから私たち探偵自身は、僅かな足音だって消すよう、教育を受けるんですよ」


 庭鳥の背筋を冷たい何かが走り抜けた。

 初めて会った時に感じた凄みを、鮮烈なまでに感じる。

 自分が想像していた以上に、目の前の探偵は恐ろしい相手であったことを、本能的に理解する。


 しかし、庭鳥の計画的にはむしろ好ましい状況であるため、焦らずに微笑み返す。


「まったく、驚かせないでくれよ。さっきトリックがどうとか言っていたけど、何か分かったのかい?」


「とぼけても無駄です。全ては、あなたの犯行なのでしょう?」


「何を言っているかサッパリだ。まさか、散らばっていた書類を片付けていただけで、犯人扱いするんじゃないよね?」


 手にしていた書類を部下のデスクの上へと戻しつつ、庭鳥は分かりやすく溜め息をついてみせた。


「帰宅前にオフィスを見回った時には気付かなかった乱れを、ただ整えているだけじゃないか。これの、どこが犯人なのかな?」


「まずは、トリックから解説しましょうか。一連の騒動のトリック……このオフィスの照明をつけていた方法は、備品の『屋内用ドローン』を用いたものです」


「屋内用ドローンって、オフィスで保管されているアレのことかい?」


 語りつつ、オフィスの脇に並んだ棚のひとつ。

 数種類のドローンが置かれた棚の前へと移動し、棚からひとつドローンを取ってみせた。


 手のひら大のヘリコプターのような見た目に、正面につけられたカメラと、そのカメラを保護するように設けられた突起状のプロテクター。

 プロテクター部分をぶつける感覚で操作すれば、ボタンを押すのに支障はなさそうに見える。


「確かに、コイツは暗視カメラ付きだ。コイツを飛ばしてスイッチにぶつければ、暗闇の中でもスイッチを入れられるだろうけど……コイツは最大でも40メートル以内で操作しないといけないんだよ?」


「40メートル……警備員が巡回しているこのビルの中で、照明をつけるほど精密なドローンの操作は不可能でしょうね」


「その通りさ。面白い発想ではあるけど、難しいんじゃないかな?」


「それができるんですよ。警備員などいない、ビルの外からならね」


「ビルの外、だって……?」


 理解不能だといった反応を見せた庭鳥に対して、社畜探偵はとある場所を指差してみせる。


 それは窓の外――昨晩は社畜探偵も利用したというデイリーマンションであった。


「このビルの向かいのデイリーマンション。このオフィスと同じ高さの部屋なら、直線距離は40メートル以内のはず。あなたは、ビルの中ではなく、外からドローンを操作することで、警備員に見つかることなく照明をつけ続けていたんです」


「お、おいおい……確かに間の道路は大した広さじゃないし、キミの言う通りかもしれないけど、流石に無理だろう」


「では、試してみましょうか。今あのマンションには、私と同じ組織の探偵が待機しています。そのドローンのコードを伝えて認証すれば、実際に操作可能のはずです」


「…………」


 庭鳥の言葉が途切れ、そのまま押し黙る。

 しかし、弱気な表情は見せず、再び口を開いた。


「まぁ仮に、あのデイリーマンションから操作が可能だとしよう。だとしたら、誰にだって操作は可能だってことにならないかな? どうして僕が犯人になるんだい?」


「デイリーマンションの利用者記録を見れば、すぐに分かることです。犯人は恐らく、長期で契約をしているでしょうからね」


「じゃあ調べてみればいいじゃないか。僕はもう随分と長い間、使っちゃいないよ」


 デイリーマンションからドローンを操作するトリックの看破。

 この展開までは庭鳥も予測していた。


 そのため万が一に備えて、マッチングアプリで知り合った女性に依頼し、名義貸しをしてもらっている。


 名前から素性がバレることはない。

 万全の体制である。


「……その自信、対策済みということですか。流石ですね。ただ、ご自身でも理解されている通り、このトリックには致命的な欠陥がありますよね?」


「……一体、どんな欠陥かな?」


「ドローンの風圧でオフィスの書類が飛びかねないことと、ドローンを充電中の状態に戻せないことです」


 社畜探偵は、ドローンの充電用の棚に近づき、棚からだらしなく垂れ下がった充電用のケーブルの端子部分へと触れる。


「前者は注意すれば最小限に留められますが、後者は充電中のケーブルを抜けることはできても、再び刺すことは遠隔からでは不可能。このように、不格好な状態にならざるを得ません」


「いや、それはきっと部下が利用して、そのままにしておいたのさ。まだまだ整理整頓が甘い子が多くてね、僕が毎朝掃除を――」


「オフィスを出る前にも、中に誰かがいないかチェックしているとおっしゃっていたのに、ですか? 書類が床に散らばり、ドローンから充電ケーブルが抜けていても、あなたは何も疑問に思わなかったんですね?」


 庭鳥の言葉が再び途切れる。

 今度は、すぐには言葉を返せずに、しばらく無言の時間が続いた。


「庭鳥さん、私の同僚が調べてくれましたよ。あなたは毎朝、部下よりも速くオフィスを訪れて簡単な掃除をしていて、社内での勤勉な上司だと評判も上々だそうですね。ですが、それらの行動も全ては、今回のトリックがバレないために続けてきたものだったんでしょう」


「……ひどい言われようだなぁ。じゃあ何かな? 僕はこんなイタズラ騒ぎのために、夜は高いお金を払って借りたマンションで過ごして、朝は早くからその事後処理を、と。人生のほとんどを捧げているっていうのかい?」


 自嘲するように笑う庭鳥。

 まだ諦めた顔ではなく、目に確かな意志が宿っている。


 しっかりと、自分の成し遂げるべき目標を見据えたまま、離さない。


「トリックの内容はよく分かった。僕が怪しいのも認めよう。でもそこまで言うからには、ここまで手間を掛けて僕が事件を引き起こしたワケ……動機も教えてもらいたいものだね」


「それは、彼女が教えてくれましたよ」


 そこで、ピッと電子ロックの解除音が聞こえた。

 振り返ると、髪をお団子状にまとめた女性――新入社員である目白がオフィスに入ってきた。


「社畜探偵さん……やっぱり、庭鳥課長が犯人だったんですね」


「目白さん? どうして、キミが社畜探偵のことを」


「昨晩、オフィスの照明が落ちた直後にオフィスビルから出てくる彼女を目撃しまして。話を伺ったんですよ」


 目白は申し訳なさそうに、庭鳥に頭を下げた。


 このタイミングでの彼女の登場は完全に計画外。

 何が起きているのか、理解が追いつかない。


「庭鳥さんもご存知ですよね? 名字こそ違いますが、目白さんは亡くなった鴬太郎さんの実の妹。兄の死の真相を探るために、入社したんです」


「……ああ、知っているよ。入社してすぐに、僕にだけは打ち明けてくれたからね」


「最初は、目白さんこそが犯人だと私は考えました。あなたや、あなたの上司である飛横さんは、鴬さんの死に関する偽装を行ったと聞いていましたから、動機がないと考えていたんです」


「――違います!」


 社畜探偵の言葉に割り込むように、目白が叫んだ。


「違うんです……! 兄は心の底から庭鳥課長を信頼していて、いつも庭鳥課長の話をしていました……生前も、死後も、兄の味方は庭鳥課長だけだったんですよ!」


「……目白さん」


 それまで固い意志で満ちていた庭鳥の顔が、初めて弱々しげに歪む。


 その変化を見て、社畜探偵の目に同情の色が滲んだ。


「……もし鴬さんの死の偽装に庭鳥さんが加担しておらず、逆に真実を明らかにしたいとしたら? そう考えた時、一連の終わらない夜勤の真相が見えてきたんです」


 語りつつ、社畜探偵が床の鞄から取り出したのは、多数の書類が収納されたファイル。


 ファイルから取り出した一枚の紙には、びっしりと何らかの記録が隙間なく記載されている。


「これは『探偵同盟』の力を用いて収集した、鴬さんが亡くなった当時のひよどりスタジオの労働調査記録です。徹夜で中身を確認しましたが、少なくとも庭鳥さんが語ったように、デイリーマンションを利用するような状況ではないことが伺えます」


「兄は家に帰れないことも多かった、って聞いているのに……そんなの、明らかに偽装ですよね?」


「ええ、偽装でしょう。庭鳥さんは当時、課内の仕事の割り振りを行うマネージャーの立場だったそうですから、この偽装に加担したと疑われても仕方ありません。だけど、こうとも考えられます」


「……偽装を止めたくても、止められなかった、かな?」


 社畜探偵の言葉の続きを、庭鳥が代わりに口にした。

 庭鳥は観念した様子で、自嘲的に笑いつつ言葉を続ける。


「社畜探偵なら分かるだろう? 会社の動きなんて、社員一人じゃ止められない。特にマネージャーなんて、肩書だけで何の権力も持ち合わせちゃいないんだ」


「……ええ。よく、分かります」


「当時、会社が鴬の奴に命じようとした仕事の量は月に3.5人月分……要は、本来なら三ヶ月半かかる量の仕事を、一ヶ月でこなせって言ってきたんだ。僕は必死に止めようとしたよ。でも、上司の飛横に話を止められて、どうすることもできなかった」


 庭鳥の言葉に深くうなずく社畜探偵。

 彼にも、似たような経験があるのかもしれない。

 会社員として身を尽くす者ならではの、不思議なシンパシーを感じる。


「そして何もできないまま鴬は死んだ……飛横は僕の管理能力の拙さが原因だと、大声で罵った。当時の僕は半身を奪われたような状態で、言い返すこともできず、ただただ絶望した」


「それが、どうして五年経った今、彼を思い出させるようなことを?」


「……目白さんの入社がきっかけさ。妹だってことは、すぐに分かったよ。鴬の奴は、何かって言うとすぐに『シオ』の話題を口にしていたからさ」


 懐かしむように笑う庭鳥。

 しかし、その表情に再び、深い影が落ちる。


「目白さんから、鴬がよく僕の話をしていたと教えてもらった瞬間……吹っ切れたんだよ。会社をクビになったっていい。この先の人生がグチャグチャになったって構わない。この会社に何としてでも、鴬太郎という一人の人間を殺した事実を、思い出させてやるってね」


 そこまで語り終えた庭鳥は、大きくひとつ息を吐き出し、ネクタイを緩めて会議室用の椅子に腰掛けた。


「……社畜探偵、認めるよ。全てはキミの推理通りだ。そっくりそのまま、会社に報告するといい。だけど、ひとつだけお願いを聞いてくれないか?」


「何ですか?」


「キミが集めた鴬太郎の労働に関するデータを、私に譲ってくれ。その中には、一連の騒動の解決のためになら……と、この会社が脇を甘くした内容も含まれるはずだ」


 そう語る庭鳥の目は、これまでで最も真剣だった。

 その目を見て、社畜探偵は庭鳥の真意を悟ったようだった。


「……なるほど。あなたが『探偵同盟』に捜査依頼をした真の目的は、会社に悟られることなく、公然と鴬太郎の調査をさせるためですか」


「そうさ。この渦中で告発を行えば、揉み消される心配もない。資料さえ手に入れることができれば、準備は整うからね」


 これこそが隠し続けてきた庭鳥の真の目的。

 全ては、鴬太郎の死の真相を世間に知らしめるため。


 会社に真意を悟られずに真相を暴かれるまでが、庭鳥の計画した『無限夜勤事件』であった。


「社畜探偵、キミなら分かってくれるだろ? 社畜にだって心はある……いくら人生のほとんどを会社に捧げたって、心まで支配することはできない! 友人の生涯を蔑ろにされて、黙っていられるワケがないんだよ!」


 オフィスに反響する庭鳥の叫び。

 それは、ようやく彼が口にした、正真正銘の本音であった。


 隣で聞いていた目白は涙を流し、今にもその場に崩れ落ちそうなほど、身体を震わせている。庭鳥自身も、気付かぬうちに、目に涙を浮かばせていた。彼がどれほどの覚悟で今回の事件を引き起こしたのかは、想像に難くない。


 だがそれでも――社畜探偵は首を横に振った。


「……気持ちはよく分かります。ですが、資料は渡せません」


「渡さない……? お金が欲しいのか? なら、いくらでも払おう!」


「お金は関係ありません。単に、資料の提供は今回の依頼に含まれていないから、渡す必要がないと判断した。それだけのことです」


 そう淡白に語って、社畜探偵は資料の入ったファイルを鞄の中へと仕舞った。


 ある種のシンパシーを感じていた相手に無情な対応をされ、その場で固まってしまう庭鳥。

 そんな彼に追い打ちをかけるように、社畜探偵が語る。


「私は確かに、あなたと同じ社畜ですが、社畜である前に探偵です。探偵にとって、最優先すべきは依頼の遂行。情にほだされて、依頼の妨げになる行動をとるワケにはいきません」


「ま、待ってくれ……! なら、今回の事件が終わってからでいい! また改めて依頼を――」


「過去の顧客に弓引く探偵など、言語道断です」


 それだけ言うと、社畜探偵は庭鳥の言葉に聞く耳を持たず、鞄を持ってオフィスの出口へと出ていった。


 残された庭鳥は途方に暮れ、オフィスの床に力なく座り込んでしまう。


 社畜探偵はこのあと、真相を余すことなく会社に報告するに違いない。

 そうなれば、庭鳥のクビは確実。

 もう、友人の死の真相を世間に知らしめることは不可能になる。


 勝手に協力してくれると考えていた社畜探偵からの、残酷なまでのしっぺ返しに、絶望せざるを得なかった。


「……庭鳥課長、まだ、終わっていませんよ」


 しかし、隣の目白が涙を拭わないまま、庭鳥に語りかける。


「昨日、ビルの近くで社畜探偵さんたちに見つかった時、私は正直に全て話しました……兄の死の真相を探っていること。ドローンを使ったトリックの可能性に気付いて、犯人を探して、協力を申し出ようとしていたこと。そしたら、社畜探偵さんがこうおっしゃったんです」


 語りながら目白は。一枚の小さな紙を取り出した。

 それは、目玉型のシンボルと、『広報探偵』の文字が印字された名刺。


 間違いなく、社畜探偵と同じ組織に所属する探偵のものであった。


「『私は、ひよどりスタジオの依頼を受けているので動けませんが、代わりに後輩の広報探偵が、鴬太郎さんの死の真相を調べましょう。ちょうど独り立ちさせたいと思っていたところですから、依頼料は私が負担します』って」


「えっ……!? 社畜探偵が!? 一体、どうして……」


 先ほど口にしていた冷徹な言葉との温度差に、驚いてしまう。


 今回の捜査の中でも社畜探偵は、親しみの持てる苦労人の社畜としての一面と、優秀でどこか恐ろしい探偵としての一面の、両方を垣間見せていた。


 どちらが、本当の社畜探偵なのだろうか。


「私も、どうして無関係なのに助けてくれるのか、理由を尋ねたんです。そしたら、社畜探偵さんはこう言いました」


 社畜探偵本人がするように、目白は困ったように苦笑しつつ言った。


「『私は探偵である前に、一人の社畜ですから』って」


 その後、鴬太郎の過労死に関する糾弾記事が雑誌に掲載され、株式会社ひよどりスタジオは対応に追われることになった。


 そんな中、『鴬塩』を名乗る制作者が、一連の事件をショートアニメにした動画『無限夜勤事件』を公開したことで、若いクリエイターを中心に第二次鴬太郎ブームが訪れる。


 鴬太郎の名を知らない映像クリエイターなど、もはやいない。


 しかし、『無限夜勤事件』の動画中に登場する社畜探偵の実在が周知されるのは、まだ当分、先の話であった。


        ◆


 会社に辞表届を提出した僕は、久しぶりに自宅のベッドで熟睡し、いつもと同じ夢を見ることになった。


 夢の中では、慣れ親しんだオフィスのPCで鴬が作業をしていて、これまでの夢と変わらず、こちらには一瞥もくれない。


 今も昔も、世話のしがいがない奴だな、と。

 呆れるやら、笑ってしまうやら、妙な心地になる。


 思い返せば、鴬のことで分かっていることなんて、何もない。

 ただひとつ確かなのは、いくら会社に一矢報いたところで、今後も鴬への罪悪感は消えないであろうことだけであった。


「……ごめんな、鴬。お前を、守ってやれなくて」


 返事などないと分かりつつも、いつも通り謝罪した。


 しかし次の瞬間、鴬は初めて作業の手を止めて、小さな声でぼそりと――


 「……ありがとう、庭鳥」とつぶやいた。


 そして、僕が同じ夢を見ることはなくなった。


                                 ――END

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その探偵、社畜につき -無限夜勤事件- 日本一ソフトウェア @nippon1

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