4−3
「斗川さん‥‥俺と花園君を戦わせてください」
突然佐幸登が斗川に愁との戦いを要求すると、斗川は愁に顔を向けた。
「君はどうかな?」
斗川の言葉に愁は三条と顔を見合わせると、頷いた。
花園愁と佐幸登は互いに見つめ合い、イクアージョンを胸に翳した。
二人はイコールし変華すると、スラッシュとキャプチャーの、一対一の戦いが始まった!
場所は学校のテニスコートに併設する運動場。鳥のように飛んで炎の技で攻撃する
スラッシュ(回想)
『彼は保護銃で俺を捕まえようとする。捕まったら終わりだ‥』
三条
「キャプチャーの保護銃にかかったら終わりだ。愁はそれを防がなければならない」
斗川
「いや、佐幸君(キャプチャー)が鳥のようなスラッシュを捕まえるかが重要だ」
『三条と斗川は、お互い遠くにいるのにもかからわず会話が成り立つように実況している』
(ディメンションの解説が始まる)
右背に斧、左背に
その反動でスラッシュへ向けてでかい図体が跳び上がる。切れ味抜群の斧はシャァア、という音を立てて目の前の獲物を切り付けようと真横へ直進するが、スラッシュは瞬時に避け飛んできたキャプチャーの体を蹴って光る刃から逃れながら後ろへ反転し、距離を取った。
蹴られたキャプチャーは再び体制を戻した。自ら戦いを申し込んだキャプチャーは何を思ったのか?
「新入りは大人しく俺にやられろよ!!」
キャプチャーはそう叫んでスラッシュに狙いを定めると、保護銃を放った。
「ん?どういう事だ?」
三条先輩が思わず声を上げた。自分に向けて飛んでくる網。スラッシュはそれをかわすと、網は運動場の端に立っている木に絡みつく。
するとキャプチャーは、その網を引き寄せた。三条先輩、「なんだと!」と叫んだ!跳んだキャプチャー、空中で行き違ったと同時に斧でスラッシュを斬りつけ、その木からまた別の場所へと保護銃を撃ち別の場所へと移動しながらスラッシュを狙い斧を振り回す!!
斗川さん、「あれでは飛ぶ鳥も終われてしまうぞ」と言う。
キャプチャーは木々の間を綱で渡り、必死で攻撃をかわすスラッシュを空中から斧を振り回し追いかける。二人は交差するたび攻撃を交えた!
キャプチャーは戦いながら叫んだ、
「愁、これで俺の方が強いと証明するぞ!」
「そろそろ終わるかな」と言った斗川さんの顔は笑った。
キャプチャーもそれに答えるように笑みを浮かべ、斧を構えたその時だった。
地上に降りたスラッシュは運動場の土に思いっきり足をスライドさせた。
キャプチャーが網に乗ったままスラッシュに近づくと‥‥縦に回転しながら跳んできた炎の輪がボウゥウゥッ!という音と共にキャプチャーの頭を掠め、網を燃やした。
綱を断ち切られたキャプチャーは一瞬だけ宙に浮いたが、スラッシュが真下にいると気づくとそのまま急降下した。
彼は斧を振り上げ、確信したように叫んだ!!
「とどめだ!!!」
キャプチャーは、スラッシュを手中に収めると斧を振り落とし斬っ裂いた!!
だがスラッシュはノーヒット。何がなんだか判らず辺りを見渡した。彼の斧はさっきスラッシュが放った炎輪で弾き飛ばされてしまい、手にしていなかったのだ!
スラッシュは反撃の機会が来た!と思ったその時、斗川は身を翻しながらキャプチャーに言った。
「佐幸君、終わりだ。行くぞ」
「ま、待ってください!まだ終わっていません!」
「君は貴重な道具を無駄にするつもりか?」
そんな斗川の目はとても冷ややかだった。キャプチャーは彼の後をついて行くとスラッシュは声を上げた。
「逃げるのか!」
スラッシュが去っていくキャプチャーを追って炎の輪を蹴ろうとしたその時、一緒になって後を追うラナンキュラスが振り向いて、銃を自分に向けてきた。
彼女は斗川の身を守るようにドン、ドンと銃を撃ちながら後退していき、そのまま夕闇の中へと消えて行った。
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