第10話

 それは片田舎での出来事だった。

 犯罪なんて起きそうにないそんな場所で起こった一家惨殺事件。

 そのギャップのせいか、俺の記事のお陰か一時その事件で世の中はもちきりに

 なった。

 

 

 その中でも何故か生き残った子供。

 その子供にまた会えるとは思っていなかったが、まさかこんな所で会うとは。

 これはまた俺に運が向いて来たんじゃないかと思ってしまう。

 

 

 あの時は随分と稼がせてもらったからな。

 今回もまた稼がせてもらう事にしよう。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「何かあったか? 」



 僕の電話にすぐに出たモローさんはすぐに聞いて来た。

 

 

「はい。何故かつけられているみたいで」



「相手は? 」



「分かりません」



「分かった。じゃあ2、3時間ぐらいブラついてから今日は帰れ」



「すいません」



 僕がそう言い切る前に電話は切れた。

 怒らしてしまっただろうか? 

 でも僕もどうしてつけられているのか分からないのだ。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「何もないか。まあいい、これで少しは面白くなりそうだ」



 俺には予感があった、またあの時と同じように大きなブームになると。

 だからだろう、自分の後ろに誰かがいる事に気付かなかった。

 そして気づく事なく死んだ。

 

 






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