第4話
「お願い、もう止めて! 」
そんな事を俺に言ってくるこの女の感情が全く分からなくて困ってしまった。
俺はただ願望を叶えてあげただけだというのに。
◆◆◆◆◆◆
携帯に電話がかかって来たので出た俺に相手は言う。
「俺も混ぜろよ、いいだろ? 」
相手が誰だかよくは思い出せないが、どうも学校の先輩ぽい感じで言ってくる
のできっとそうなのだろう。
「はあ。かまいませんがお金ちゃんと払って下さいね」
「お、おお。払う、払うよ」
「じゃあ、場所は分かりますか? 」
「ああ、大丈夫だ。ありがとよ」
そう言ってすぐに切れた電話。これ以上話す事などないが、あまりいい感じは
しない。人数は多い方がいいに決まっているが、人が増えるという事はその分
面倒事も増えるのだ。
「誰からの紹介か聞くのを忘れたな」
今更そんな大事な事を思い出したが、聞き返す事も面倒でやめた。
◆◆◆◆◆◆
家を出れば他のアパートの住人が何やら騒いでいたが、そんなものにかまって
いる時間はないので軽く会釈だけをして横を通り過ぎた。
「あんな美人居たかな? 」
俺は首を傾げながらも、とりあえず待ち合わせ場所へと急ぐ。
◆◆◆◆◆◆
「こんにちわ、ココアちゃん? 」
俺がそう言って近づけば
「クルーさんですか? 」
と返してくる女に俺は「そうだよ」と笑顔を向けた。
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