エピソード4:タダの美人じぇねえんだよ!
私はなんと、幼稚園の頃から、他人から「美人」と言われている。
「可愛い」ではない。あえて「美人」と言われている。
小学校高学年に生理が始まったときに自分で自分の美貌を自覚した。
23歳になる今でも、毎朝鏡を見るたびに「よく出来ているなあ……」と感心する。
大きくクリっとした
それが離れず寄りすぎずバランスよく配置されている。
その両目の間にそびえ立つ真っ直ぐな筋の通った鼻。
肉厚でも肉薄でもなく小鼻も横に広がらず、鼻の穴もヒマワリの種のように細く美しく
唇は上が薄めで下がぽってり色っぽい。
歯はスラリと美しい
眉毛はキリリと鋭く、ぬいぐるみのような真ん丸な目とのギャップに99%の男はシビれるらしい。
輪郭は卵型で小さい。
首は美人の代名詞で、長く細い。うなじを出すともはや核兵器だ。男の唾を飲む音が聞こえる。
中学で美術の授業が始まって、教科書が配られたとき、みんなラファエロの聖母子像を見て「これ、お前じゃん」と授業のたびに言われた。これはホントによく言われた。
だから私は、パパ活の誘いを掛けるときはツイッターではやらない。インスタで釣る。堂々と私の美貌を写し出して「メシ食わせろ」と
SNSのプロフィール写真は、5万円かけてメイクアップスタジオで撮ってもらった。それをこれ見よがしに
この梅干しの種ぐらいの小さな写真でさえ、ツイッターで「メチャ美人ですね」とリツイートがくる。
このメイクアップしたご尊顔をインスタの大写真に日々アップすると入れ食い状態でデートの誘いが来る。
そこで私はこの美貌にものを言わせてはっきりきっぱりと「大人お断り。手つなぎまで」と宣告する。絶対大人不可と明言する。
それでもデートさせろとダイレクトメールが届く。
その流れでデートして食事が終わると当然
なので当然小遣いは少なくなる。
セックスするなら10万渡してもいいという欲の塊みたいな男もいるが、させない。あくまでも茶飯のみ。
それでもリピートが
下は20代の大学生坊やから上は70代の死にそこないジジイまで幅広い。
とにかくこの顔を
だから「超美人なのに大人やるかよ!」なのである。
絶対にこの美貌を
今日も12時に朝食のオファーだ。72歳のスケベジジイである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます