第25話 ものとんvsチンまん ラウンド3
『ものとん様、当方が使用済みの下着をよこせとコメントをしてから、また1時間がタちましたよ。逆に、
画面の向こう側でナニしてたんだよこいつ。
タマコみたいなくだらないオヤジギャグを言いやがって。
飛んでるぞ、頭のネジが。
『おい、ちゃんとコメント見てんのかよ。返事しろっつってんだろ。それとも、運営にトラブル報告されたいのか? 理由はどうあれお前がやったの〝無在庫販売〟だからな? 一発バンだぞ? いいのかなァ、お金が稼げなくなっても』
『わかった』
『その、わかった、は、使用済みの下着を送ります、の、わかった、で合っていますでしょうか?』
『そう。お望み通り送ってあげる』新品の下着のタグを外して。
『よしっと、決まりな。
『……証拠?』
『俺を馬鹿にしてんのか? 新品の下着のタグを外して送られるのは
『どっちも無理。自撮りもなし』
『お前みたいなやつはみんなSNSの裏アカ使ってそういうことしてんだろ? 恥ずかしがんなよ』
『馬鹿といっしょにしないで』
『じゃ、住所と名前にする? トラブル報告がいい?』
さんざん我慢してあげたのだから、これで十分だろう。
素直に引き下がってくれれば、許してあげたけど、もう許さない。
……殺してやる。
『あたしのこと怒らせたらどうなるかわかってる?』
『こわァ~い。ものとんちゃん、キレちゃった。どうなるのかなァ~?』
『あんた生きてて楽しい? 女子高生相手にこんなことやってて恥ずかしくない? 暇でしかたないの? 誰にも相手にされなくて
『キモい長文よこすなよ、メンヘラ女。レイプしてぶっ殺すぞ』
あたしは、―――――――。
『やれるものなら、やってみれば? あたしの住んでるところなんてM県ってことくらいしかわらないのに、探せるの? ひきこもりなんかに? どうやって? 30歳まで童貞で今も現役童貞だから魔法が使えるのかな?』
『住んでるの、M県のS市だろ?』
あたしは返答に時間を置いた。
『違う』
『I区民なんだろ?』
『違う』
『ものとんちゃん、やけに返事が短くなったねェ。もしかして今動揺しちゃってる感じ? 匿名配送が、じつはそこまで、匿名になってない、って知らなかったのかなァ?』
『……どういうこと?』
『発送状況の詳細とかぜんぜん見てなかっただろ。荷物の
『……だったらなに?』
『お前さ、何軒か郵便局回ってるだろ。そうすると生活圏が見えてきて、家がどこにあるかが
『 』
『なんだ? 動揺しすぎて空コメントしちゃったか? その気になれば特定なんてすぐだぞ。そのうち会いに行ってやるからアソコ洗って待ってろ』
『チンまん様、この度は度重なるご無礼、申し訳ありませんでした』
『今からかしこまっても無駄ですよォ~、ものとんちゃ~ん?』
『……ごめんなさい。悪ふざけが過ぎました。許してください。お願いだから会いに来るのはやめて』
『あれ? なになに? ガクブルしちゃったの? 許してやるからLINEのアカウント教えろよ。泣きそうになってるそのツラ見せろ』
『……それだけはかんべんしてください。お願いします』
『だったら、使用済みの下着をよこせよ、って話なんだよ』
と、またまた話が振り出しに戻る……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます