第5話 残高マイナス
「タマコ! ちょっとコレ見て!」
と、彼女のブレザーの
「なに慌てて……ん? マイナス? 売上金額が『
「なってるの! なんか送料が700円も引かれたの!」
あたしが黒歴史Tシャツの販売価格に設定していた金額は、700円だった。本来なら、そこから〝ギルマ〟
「マイナス表示とか初めてみたんだけど! ウケる! スクショ
「笑うなボケ!」サイズオーバーすると、その分の送料が自動的に
「Tシャツだけってことは、重さでは超過しないだろうから、きっと長さだ。A4サイズの封筒よりも大きくなってたのでは?」
タマコの指摘でハッとなった。Tシャツは、
「A4封筒を買っておけば良かったのにぃ。メイが紙袋で十分っていうからさー」
たしかに、買っておけば簡単に予防できたことだった。
でも、あとの祭り。
文字通りに肩を落として溜め息をつく。
「……あたしは35円払って、棺のアリスちゃんにTシャツをプレゼントしました、ってこと? なにそれ……馬鹿みたいじゃん」
「そうだよ、馬鹿だよっ♪ 馬鹿だなぁ~♪」
「ふんすッ!」
ゲシっ!
「痛ったァーッ!?
35円を
初回の失敗は、次回からの
消し去ってしまいたい暗黒時代の
「ところでさ、」
と、あたしは、脛を抱えて地べたに倒れたままになっているタマコに視線を落とし、話題を変える。
「発送手続きが、めんどくさくない? 聞いてた話と違ったんだけど」
タマコから聞いていた話では、QRコードを読み取らせで出てくるラベルシールを一枚貼るだけで済むはずだった。しかし、コンビニのメディアステーションから出てきたのは一枚のレシート。それをレジに持っていき、店員から渡された袋シールを貼り付け、さらに、プリントアウトされた宛名用紙を自分で何枚かに切り分けて袋に入れるというもので、それなりに手間がかかったのだ。
「店員のおっちゃんは手伝ってくれないし、レジでやらされるから後ろに人が並んで
「ウチが言ってたのは、郵便局から発送する方法。コンビニはめんどくさいって、説明してなかたっけ?」
また向こう脛を蹴ってやろうかと思ったけど、確認を
「ガイドくらい見ておかないとダメだよ、メイちゃーん」
ゲシっ!
「アーーーーーーッ!?」
やっぱり蹴った。
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