第9話

あやのは背中まであるストレートロングの黒い髪をゴムで束ねた。

翼はライトブラウンのショートヘアーを書き上げながら何か呟いている。

俺はメガネを拭きながらため息をついた。

それぞれ考え事に集中し始めたサインだった。


「さあ、町を救ってくれるかの?」

老婆は使い古されたローブから、しわがれた手を出した。

「まずは、町の様子を見てみないと話が始まらない」

学はそう言うと、ピカピカになった眼鏡をかけ直した。


「それに、俺たちの服装は目立つんじゃないか」

3人の制服は紺色のブレザーだったが、ローブを身に纏っている老婆の姿とは噛み合わないものがあった。

「服のことは気にせんでええ。外国から来て頂いた勇者様と説明するでな」

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