第10話

石の回廊を抜けると、石柱があった。おそらくここが出入り口なのだろう。

おそらくと言ったのはあまりに草が生えていて腰まで埋まってしまいそうだったからだ。

「町まではどれくらいかかるんですか?」

あやのが老婆に問いかける。

「近いぞ、歩いて10分ほどじゃ」


そう言いながら老婆は道無き道をすいすいと歩いて行った。

木漏れ日が気持ちいい、やや乾燥した空気だ。

先ほどまでいた回廊は神殿の一部だとみて取れた。

学達は老婆の後を急ぎ足でついていった。

目印は何もなく、はぐれたら迷い子になりそうな獣道だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る