第5話「結成!ワナビーフォー」1
コーカイの拳を受け止めているのは紛れもなく美瑠達と同じ出で立ちの黄色いヒロインだった
これで、ついにビョーシンが探していた戦士が3人揃った
ビョーシンは両手を振り上げてはしゃいでいる
「チッ...また邪魔者が増えやがったか!!ナメるなよ小娘があ!」
コーカイがもう片方の腕で殴りかかる、未来は咄嗟にコーカイから距離をとり攻撃を避けた
「すごい、あなたが3人目の戦士なんだね!」
美瑠が興奮して未来の手を握り激しく上下に振る
「あ、あの!私まだ状況がよくわかってなくて...」
「あ、そうだよね、えーっと...」
「説明している暇はなさそうだ、まずはアイツをなんとかしないとね」
3人の視線がコーカイへ向いた、コーカイもこちらを睨み付けている
「あの人、すごく苦しんでる...なんとか助けてあげたい...」
コーカイが吐き出した苦しさ、未来が抱える迷い
お互いの苦悩は少しずつ違うものだけれど、悩んで苦しんでいるのは同じだ
そして未来の迷いの根本には後悔もある。自分が何になりたいのか、何がしたいのかが分からず、なぜもっと早くから夢を見つけておかなかったのかと、今になって焦っている。
コーカイが抱える後悔の理由は分からないが、もう戻る事の出来ないあの頃の自分に苦しめられているのは同じなのだ
だからこそ、コーカイも自分も
救いたい
美瑠と明日乃もコーカイを倒さなければいけないが、コーカイの命を絶とうとは思っていない。これまでの戦いのようにコーカイを浄化出来ればそれが一番良い方法だ。
未来のコーカイを助けたいという言葉を聞いて、美瑠と明日乃はお互いに軽く目配せをして頷いた。言葉はなくとも3人とも同じ考えだと確認した。
「ねぇビョーシン、コーカイも今までのアキラメの化身みたいに元の人間がいて誰かに操られているのかな?」
「それはわからない、でもその可能性はあるよ」
「そっか...わかった」
「待って美瑠、アイツは今までのアキラメの化身より遥かに強い!いくら3人揃ったとはいえ普通に戦っても」
ビョーシンが何かを伝えようとしたその途中で、コーカイの目の前に赤いヒロインが現れた
「来たな、お前もまとめて消してやるぞおおおおおおおお!!!!」
コーカイの拳と赤いヒロインの剣がぶつかり合う
「待って!ちょっと待って!」
美瑠が必死に叫び、それに反応したように赤いヒロインは攻撃を止めコーカイから少し距離をとった
「私達はコーカイを浄化したいの!あなたもそうなの?」
美瑠の問いかけに赤いヒロインは背を向けたまま何も答えない
再びコーカイが攻撃を仕掛け赤いヒロインも反撃をし、2人の攻撃が何度もぶつかり合う
「美瑠!聞いてくれ!」
今にも走り出して2人の攻防に割って入ろうと言わんばかりの状態の美瑠をビョーシンが必死に呼び止めた
「キミ達3人揃ったからこそ出来る事がある!」
「え?」
「3人の力を合わせて、女神の矢を放つんだ!」
「女神の...矢?」
ヒロイン戦隊「ワナビーフォー」 ヤナミ ウリュウ @ur_ya
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