あなたは私の作品

@waco___

第1話

心に水が流れる時


私の本当の名前を教えて 。

教祖様がつけた私の名前ではなくて 本当の私の名前を教えてください。


甘えてみたい 。

触れてみたい 。

ぎゅっとしてみたい。


自分の心に向き合えるようになると、 もしかしたら 子供の頃 したくてもできなかった ことが してみたくなる のかもしれない 。


聞いたことがあるかもしれないが 、 子供は 親に裏切られたと思わない人はいない 。  とにかく、 愛されたくて仕方なくて 、 愛されているのか、 毎日 毎日 怯えながら 考えていた 。 私が笑いものになれば、親の、 歯を見せて笑う顔が見れるので とても幸せになった 。


私は 友達と 恋人と を区別することができない 。 それはすごい難しい問題だ 。 友達のことを愛しているし 愛している人が恋人になるし 、ということは 友達 が 恋人ということになるならば 私には恋人がたくさんいることになる。

だけど、何者かが、私の世界に入ることは、そんな簡単なことではない。友達も親も一度でも私の世界に入った者はいない。


「 ありがとうございます、はい」

私はカフェで 文章を書いていた 。 お店の方が wi-fi を どうぞ と気を利かしてくれたのだ。


私は どの人間ならわたしの世界に入れるか どうかにずっと捕らわれていた。


立派な甘えん坊になる こと 。

とても甘えん坊だった私は 甘えることは悪いことだということを植え付けられながら大きくなった。


人々は 沢山のエネルギーと 言葉 、 色、 気持ち、 痛みを発しているから ズカズカと私の 世界を傷つけてくる。


痛くて重くて支配的なこの世界に馴染もうとすればするほど、私のこの社交性に 磨きがかかり、気がつけけば、演者になっていた。が、その人間は私からどんどんと遠ざかっていった。社交性は自分を守るための手段であり、 本当の 私に出会おうと思うと、 とてつもなく高く硬い 柵を越えなくてはならないことにこの歳で気がつくことになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたは私の作品 @waco___

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る