第2話 ぼくの飼い主


ぼくの飼い主はふたりいる。


ひとりは、たくさん遊んでくれる父ちゃん。

けど、「待て」「ハウス」って何回も言う。

おやつもらえて嬉しいけど、ちょっと面倒臭い。


もうひとりは、ごはんをくれる母ちゃん。

いつも抱っこする時は緊張している。

手をぺろぺろすると怒る。


「しんちゃん」「しんちゃん」

呼ばれると嬉しくて、つい尻尾に出てしまう。


父ちゃんと母ちゃんはたまに喧嘩する。

ぼくはふたりが笑っているのが好きだから、

ふたりが仲直りできるように、ぼくのおもちゃを貸してあげる。

「しんちゃんが仲直りって言ってるで」って笑ってくれる。


いつの間にかふたりが大好きになった。

よく怒られるし、たまに反抗して悪いことしたくなるけどね。


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