第4話 宮中の騒動 1
「“帝の第一皇子”と言う重い身分の皇子が、わざわざ
「
右大臣は自分の娘ではあるが、いまは尊き帝の
少しでも彼女の気をなごませるため、
ほぼ一生を室内で過ごす、ほとんどの貴族の女君にとって、衣装は数少ない自己主張をできる物であり、自身の社会的地位と財力、趣味の良し悪しがあらわになる物でもあった。
特に、後宮で過ごす后妃たちは儀式や
色や
布地に目をやったほんの一瞬、彼女の切れ長の美しい瞳に、柔らかな光が浮かんだが、控えていた女房に引き取らせると、再び厳しいまなざしを右大臣に向ける。
「でも、いくら帝の仰せとあっても、一貴族の参拝に……」
いつもであれば前例のないことと、即座に断っていたであろう。
そんな気位高く、誇り高い
「では
あのときの“第一皇子”は、自分の感想を、あえてつけ加えて発言していた。
「
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