第3話 第一皇子の憂鬱
〈 時系列は意識を失った“葵の君”が、“葵”とトンネルの中で、心と体が入れ替わった数週間前に巻き戻る 〉
***
皇子は父である
性格はと問われると、見かけによらず、先帝であった御祖父君と似た、真面目で温厚ではあるが、少し遊び心を持ち合わせた性格であり、なにひとつ欠点のないように思われていたが、
皇子は自分が、
手にした
数年来の飢饉が続き、諸国には病が
前世の報いが今生の生まれと言われ、貧しい者や醜い者は前世の行いが悪いと、切り捨てることの許される時代ではあったが、それにも“ほどがある”と彼は思った。
帝を中心とした宮中や、官僧が支配する
現代人の葵が知れば、なんてしっかりした子供だろうと驚いただろうが、成人年齢が早く、平均寿命も短い平安時代においては、彼くらいの年頃になれば、このくらいには物事を把握していた。(周囲も同様である。)
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