異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第1290話 【かつての強敵がピンチに駆けつける激熱なヤツ・その1】来たぞ、最強と最良の援軍!!
第1290話 【かつての強敵がピンチに駆けつける激熱なヤツ・その1】来たぞ、最強と最良の援軍!!
人殺助(?)を巻き込んだ瑠香にゃんによる『瑠香にゃんバースト』だったが、結果はどうなったのかと言えば、テレホマンが既にネタバレしていた。
「にゃはー!! 瑠香にゃん回収成功だぞなー!! 競泳水着のおっぱいに『
「………………………………? ぽこ? ぽこ、ぽこぽこ? それ、逆神流? ………………………………? ぽこ?」
クララパイセンが瑠香にゃんの動力炉と言う名の
既報の通り、人殺助(?)は健在。
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「落ち着くんだ! ナンシーさん!! 安心するんだ! 私がいる!!」
「男爵!! あなたって役立たずだわ!! 新築なのよ!? 住み始めてたった3ヵ月と13日……!! 13日が不吉なんて考えてるアメリカ人はそんなにいないのよ!! けれど、ええ、ええ。分かったわ。今日から私、13って数字を見たらまずはその数字を撃ち殺すわ! 男爵! ショットガンが欲しいの!! 保険にサービスでつけてくださる!?」
「いかんな。混乱しているようだ。ナンシーさん。あなたの胸にはもう立派なショットガンが2房も付いているというのに」
ナンシーのリアクションも意外と穏やか。
絶叫したが、ペルシャ絨毯に大吾がもつ鍋してたアツアツの土鍋を置いた時と同じくらいの悲哀だったので、きっとすぐに立ち直れそう。
「うにゃー!! 瑠香にゃん回収して来たぞなー!! おっぱい基点に釣り上げたから、競泳水着も無事だぞなー!!」
「謝罪モード。すみません。皆様。瑠香にゃん、自爆もできない子になってしまいました」
莉子ちゃんがつかつかと歩み寄ってから、瑠香にゃんのおっぱいをペシッとビンタした。
「………………………………?」
続けて、その何倍も強く、優しくギュッと抱きしめた。
「瑠香にゃんちゃんのバカ!! 自爆なんてしなくて良いの!! これで良かったんだよ!! 見て! 見晴らしがよくなったもん!! これで良かったんだよ!!」
「………………………………?」
「………………………………?」
瑠香にゃんは少しだけ人工知能の機能を停止させることにした。
現状の今すぐ分かるナンシーの家と言う名の最終決戦場の戦力。
本当だ、日本語ってすぐに言葉が重複する。
ナンシーの言う通り、クレイジーな言語である。
逆神六駆。
ガス欠。
小坂莉子。
六駆くんの左腕に戻った。彼女の定位置。
椎名クララ。
割と元気だが頭おかしい次元にもうついて行く気がない。
木原芽衣。
おじ様は爆発で死んだのか気になって戦いに集中できない。
塚地小鳩。
メンバーの中で唯一、戦いによる消耗が激しい。
平山ノア。
現在は莉子ちゃんの指示で莉子ちゃんを撮影中。
忙しい。
跡見瑠香にゃん。
自爆した結果、ナンシーの家とおっさんの死体2つを消すことに成功。
おっぱい残量が2割を切った。あと自爆はしてない。
割とピンチである。
アタッカーが莉子ちゃん以外もう機能していないのに、莉子ちゃんは六駆くんにコミットして左腕を折るのに忙しい。
そんな最終決戦の地に、援軍が来てくれた。
空から降りて来るのはバス。
「……ふっ。……ええ駐車場があるねぇ。……玉ねぎさん。……あそこに停めぇさん」
「へぇ!!」
先にこっちが来ちゃった。
観光バスに乗った呉のお嬢様たち。
同じタイミングで人殺助(?)が人の形を成し始めていた。
どうなる、ナンシーの家跡地。
南雲さんたちはどんな空気で転移して来たら良いのか。
◆◇◆◇◆◇◆◇
人殺助(?)が瓦礫の中からゆっくりと出て来た。
その姿はこれまでの誰よりも小柄で、若い。
若いというよりも幼く見えた。
「やあ! 僕は人殺助・
子供である。
喜三太陛下がバルリテロリ戦争で使った手である。
子供相手なら攻撃できんやろ、作戦である。
きたない。
さすが逆神家。きたない。
「わぁー!! 可愛くない!! 目は鋭いし、襟足長い!! あとモヒカンみたいになってて、先っぽが金髪!! わたし、好みじゃないなー!! ねねね、六駆くんは!?」
「えっ!? どうでもあ゛っ……そうだね! 好みじゃないね!!」
とりあえず当代逆神カップルに全否定された人殺助・漆。
見た目は8歳か、頑張っても10歳には見えないくらいの年の頃。
身長はチーム莉子の低身長乙女たち、莉子ちゃん、芽衣ちゃん、ノアちゃんよりもさらに15cm程度低い。
「ハハッ!!」
「にゃはー!! 早速危ない笑い方が来たにゃー!! ネズミのマスコットっぽさあるぞなー!!」
人殺助・漆は無駄な尺を嫌うのか「ハハッ!!」と笑いながら良い感じに焼け焦げた瓦礫を宙に浮かせると、まずは降下して来ているバスを狙った。
目標はそれでよろしいか。
よろしいか。
「……玉ねぎさん。……避けぇさん」
「無茶ばっかり言うてはる!! それはさすがにおばちゃんでも無理ですぅ!!」
「……そねぇかね。……ちぃとあの子にゃ仕置きせんといけんねぇ。……節子さん。……久恵さん。……みつ子さんがどっかで見ちょるじゃろうからね。……ぶち悔しがらせてあげよういね」
バスから飛び降りたよし恵さん。
『
そこに飛び乗る節子さんと久恵さん。
「わ゛だじ、行かへんって言ったのにぃぃぃっひぃぃふぅぅああああ、ハァーア゛ア゛!! んっひっ!! い゛ぎだぐな゛い゛!! ひっひふゥゥゥ!! ハッはァァァ!!」
と、雷門さん。
他の若年お嬢様たちは写ルンですで写真撮るのが先なので、ベテラン勢に譲った模様。
「せっかく持って来たガトリング砲を使わんとねェ! やるよ、善吉ちゃん!!」
「なにをしたらいいのか! わが、わ゛がら゛な゛い゛!! 私は、ひっひはァァァ!!」
「弾を創るんよ!! できるじゃろうがね!!」
「んっひぃぃィィィ!! 『
節子さんが雷門さんの繰り出した岩石を掴んで、粉々にしてからガトリング砲に詰め込んだ。
ならば雷門さんのスキルではなくとも良かったのでは。
久恵さんは持って来たギロチンに
「行くよぉ!! ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 『
「あたしゃ自分が近接タイプなのが憎いねぇ!! 『
節子さんの遠距離攻撃と久恵さんの高所から物を落とすというある意味では脅威の攻撃を見届けてから、「ふっ」と静かに笑ったよし恵さん。
「……ここには若い子らがあねぇにおるんかね。……楽しみを奪うのは年寄りのマナー違反じゃねぇ。……ここは遠慮しちょこう。……『
仕上げに命を刈り取る鎌を回転させて発射。
「……引き上げようかね。……玉ねぎさん。……自由の女神は強いんかね?」
「へぇ? ……むっちゃ強いんちゃいますか!? 腕試しするならおっきい方がええですもんね!! へぇ!!」
玉ねぎバスはあくまでも観光目的。
ちょっと
目的地も決めずにただ異国の空をバスで走るだけでも、楽しいのである。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」
人殺助・漆が大ダメージを負っていた。
節子さんは呉から島根県から鳥取県にかけて山陰地方の針の穴を狙い打てるスナイパー。
人殺助・漆の眉間にガトリング砲の連射を寸分違わぬ間隔で撃ち込んだ。
対して久恵さんはアバウト。
ギロチンを落とした。
ただしギロチンのサイズがナンシーの家と同程度あったため、普通に人殺助・漆を押しつぶす。
最後に断頭台からどうにか這い出したところを高速回転する死の鎌が首を狙って飛来した。
子供の形をしているからどうした。
ばあちゃんズにとっては50代まで子供である。
よその子を躾ける。そこに躊躇などない。加減など知らぬ。
だが、人殺助・漆は小柄。
「は……ハハッ!! くっそー!! なんだあのババアたち!! 僕、嫌いだな!! ハハッ!! どっか行って助かった!! じゃあ、残った人たちと遊ぼう! ハハッ!!」
生き残った人殺助・漆。
さらに虚空から声がする。
『ヌシ。我も出るぞ。幾分か肉片を寄越せ』
「ハハッ!!
『小童が……。抜かしおるわ……』
人殺助・漆の投げた握りこぶし大の肉片がうねうねと蠢き始めた。
どうやらクライマックスの気配。
人の形を成す人殺助・捌は漆に反比例するかのように巨躯。
大と小。
おわかりいただけただろうか。
戸愚呂兄弟方式。
これは間違いなく、ラスボスの風格。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! くっそ!! 腹立つなぁ! 4人で集団ダイレクト転移させるとか!! むっちゃ疲れた!! ほれ! 着いたで、白衣ぃ!!」
「キサンタさん!! 1回戻って!! 私たち、出て来たタイミングが最悪だ!!」
「そんなん無理やろ!! すっげぇ疲れたって言ったばっかやで!? ワシ!!」
仕上がった後の戦場に来援してしまった南雲さんと章ボスたち。
これはやや凶と出るかとても凶と出るか、大凶と出るか。
凶と出た後なので、そこから頑張ろう。
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