異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第1246話 【出ちゃった・その3】チキチキ! 全ての宿怨をぶち断つ時!! ~でも、その前にちょっとくらい態勢を整えたいと思うのはいけない事だろうか~
第1246話 【出ちゃった・その3】チキチキ! 全ての宿怨をぶち断つ時!! ~でも、その前にちょっとくらい態勢を整えたいと思うのはいけない事だろうか~
バルリテロリでは。
「はいはいにゃー。瑠香にゃんのおっぱいから
「なんやこの子……! これまでの現世のヤツらの中で1番優しいやんけ!! そりゃ六宇ちゃんも懐くわ!!」
「はい。陛下。違います。ぽこ様の優しさは全てが計算し尽くされたクレバーなもの。ぽこ様は現世随一の賢い猫であらせられます」
「オタマぁ! やっとワシの近くに来てくれたんか!! ぽこちゃんって言うんやな!! おっぱい大きいなぁ!!」
「うわー。キサンタさー。ぽこさんと瑠香にゃんさんから
「触られたらもがれるかもしれんから警戒するぞなー? けど、見られてる分にはむしろ安全だから別にどうでもいいにゃー」
「えー。すごっ。ぽこさん、大人だわー」
「はい。六宇様。……六宇様!!!!!」
「こんなノーガードおっぱい見たことないで……。なんでチアの恰好なんや? 分かった! これ、罠やろ!! 引っ掛かるかぁ!! 目ぇ閉じとこ!!」
瑠香にゃんがクララパイセンに競泳水着の脇から手ぇ突っ込まれて「………………………………?」と不思議な顔をしていた。
喜三太陛下の回復は六駆くんの指示。
「だって、ひいじいちゃんを使い潰すのが1番ですよね。死んでも現世には何の影響ないし。転移スキル使ってもひいじいちゃんの痕跡が残るだけだから、南雲さんも怒られないし。なんか悪さしようとしたら、今度は僕が躊躇なく殺しますし!!」と言ってから「うふふふふふふふふふふ」とほくそ笑む。
今も昔もあくまがほほえむ時代なんだ。
「はい。うん。まあ、ゴリ門クソさんなら簡単にはやられないと思うけど。うん。そうだね。山根くんの言う通り。そう簡単にやられないから困るんだよ。逆神くんとこっちの準備が整うまでは、うん。川端さんを日本本部に復隊させて、現場指揮官に登録しといて? ちゃんと全部終わった後にご存命だったら、色々と手厚い補償をするから。うん。アレがナニした時は……。川端監察官室を永久欠番にして、日本本部で語り継いでいこうね。また連絡するよ。オーバー」
最近はちょいちょい悪魔と一緒にほほえむようになってしまった南雲さんが、監察官一の知恵者っぷりを通信で発揮しておられる。
もはや無粋な説明は必要なし。
川端さんが色々とやってくれるし、ヤられた場合でも色々とやってくれる。
全探索員には川端一真おっぱい男爵に敬礼を求めます。
「さて。どうしたものか」
「南雲総司令官殿。電脳のテレホマン、ここに!」
南雲さんの部下みたいになったテレホマンが飛行ユニットでその辺を飛んで回って戻って来ていた。
「どうなりました?」
「はっ。電脳ラボの職員に同期をさせまして。現時点で臣民の4割強に簡易的ですが構築スキルの構成術式を伝達済みです。スキル使いの素養がある者でしたら、30分程度でシェルターが創れるかと」
「そうですか。本当にすみません」
「いえ。電脳ラボに参られた皇太子殿下の御業が凄まじ過ぎた、それだけでございます」
「まさかねぇ。戦争してたここをもう一度戦場に。しかも割とすぐそれをやる事になるとは思わず。本当に申し訳ないです」
「詮無きことです。ひ孫様の胸三寸でバルリテロリは焦土と化していたかもしれぬと考えれば、まだ焦土にこれからなるぞと準備期間を頂戴できるだけ幾分か、いえ、ずっと良いかと」
バルリテロリでは本土決戦第2幕の準備が進行中。
四郎じいちゃんが
タイミングが良く、それ以外は悪く、四郎じいちゃんはまずシェルター型のドームを構築するスキル、その構成術式をササっと考案した。
それを同期で臣民たちへ一斉に発射。
バルリテロリ各地では防空壕の構築が一斉に始まり、各所でポコポコと頑丈なイドクロアを含むドームが生えて続けている。
「逆神くん。君も回復しなくて良いのかい? 君、『
「そうなんですよ。ただ、先にみんなの回復してあげとかないと。僕はスキルがある程度使えればどうにかなりますけど。みんなはスキル使えないと死んじゃいますから」
「逆神くん……。君、人の心を手に入れたんだねぇ……」
「大事な仲間ですから! 僕の話を聞いてくれるし! 今回の戦争だって、最終的にはうちの家族だけ貰う報酬が多いんですよね。鬱陶しいひいじいちゃんとは縁が切れるし。崇高な使命とかいうクソみたいな縛りも人殺助さん殺したら切れるし。しかも! 金までもらえるんですよ!? これに付き合わせちゃってるんだから! そりゃみんなを優先しますよ!」
そこまで言ってから言葉を区切り、言葉を選ばずに六駆くんは言う。
「現世はね! 僕の知らない人が死んじゃったら、まあ申し訳ないですけど! 時間かけてね、生き返らせて回るので! 3年くらいもらえれば! うちの家族総出でやりますから! うふふふふふふふふふふふふ!! 怖い思いも時間巻き戻したら忘れますし!!」
「魔人ブウ編なんだよねぇ。やってる事が……。まあね、私が対策とか取れる次元を超えてるし。久坂さんたちに内緒で
2人で「うふふふふふふふふふふふふ」と笑い合うおじさんたち。
ナニかが進行しているようである。
それも急速に。
内容についてここで詳しく言及するような無粋な真似はいたしますまい。
まったく、争いとは実に無常ですな。
◆◇◆◇◆◇◆◇
数分後。
「えー。それではね! 僕が言います! ひいひいひいじいちゃん! モンスター名! 人殺助さん!! これをバルリテロリに転移させて、この地で殺します!! 多分、相当強いと思うので! というか、その想定でいかないと死人が出るの嫌ですし! 僕と互角であると考えます! 作戦は簡単! 現世とバルリテロリをひいじいちゃんの転移スキルと僕の『
すぐに六駆くんが内容についておっぴろげ。
いっそ粋である。
スマートな方法で逆神家の宿命を断ち切り、お金と金をもらい、シームレスに隠居する道筋は定まった。
あとはやるだけ。
やられる前にやるだけである。
「えー。現世にいるみんなは、戦いが終わったと思ってリラックスしてると思うので! こっちのみんな! 間違っても何も伝えないでね!! リラックスから絶望にメンタルを落とすことで、スキル使いとして確実に力を発揮できる状況を作ってから順番に連れて来るので!!」
「にゃはー。こんなの伝達しようものならちょー恨まれるぞなー! あたしは絶対にこんな仕事、頼まれなきゃやらんぞなー!!」
クララパイセンの言葉に瑠香にゃんの人工顔面がとても歪んだ。
眉をひめそる事が出来るようになった瑠香にゃん。
ジト目で物申す。
「瑠香にゃんはステータス『こいつ金田一少年の事件簿に出てたら次のページで死体になってる』が周囲に拡散された瞬間を目撃しました。もう瑠香にゃん、兵器ヤメます。瑠香にゃん、普通の女の子になります」
「うにゃー?」
「あ! 現世とか、あと他の異世界へ向かってからの招集はね! 僕たちチーム莉子のメンバーでやりますから! 安心してくださいね!!」
「にゃん……だと……。あ゛。そういえば、あたしと瑠香にゃん以外はみんなおらんぞな……?」
皆さん、最後の休息中です。
これから色んな人に恨まれるので。
喜三太陛下が瑠香にゃんのおっぱいタンクで
「おいぃぃ! ひ孫ぉ!! お前ぇ! バルリテロリにを巻き込むなやぁ! うちの臣民なんもしてないやろ!!」
六駆くんが笑顔で右手を差し出した。
「なんや!? 今さら仲直りの握手なんか求めてな」
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」
喜三太陛下が吹っ飛んだ。
六宇ちゃんが「だからヤメなって言ったじゃんかー。キサンタさー。あたしよりバカなんじゃない?」と抱き起してあげる。
「現世に戦争仕掛けたのはひいじいちゃんだよね? もう、その時点でひいじいちゃんには発言権ないんだけど? 今生きてるのって誰のおかげだと思う?」
「ばぁぁぁ、ばぁぁ、ばばばば! はぁぁ、はぁぁぁあいやぁ゛ああ゛ぁ゛!! ………………………………か、勝てばええんや!!」
振り絞るような喜三太陛下の声がバルリテロリに響いた。
そう。
勝てばいいのだ。
勝って、色々とスッキリした気持ちで。
この世界は綺麗になるんや。
総員。
勝てばええんや。
あとちょっとなんや。
————第17章、完。
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哀しい色のお知らせ。
現在、ストックが枯渇気味でございます。
つきましては、通常ならば章区切りの呟き回を同日に更新しておりますが。
本日は今話のみ、明日、呟き回のみの更新とさせて頂きます。
呟き量は通常サイズですので、本編の1話よりも長いです。
ご安心ください。
いや、呟かんで原稿書けやと申される読者様はおられますまい。
確かにそうかもしれん。ですが、もうそういうものでございます。
おい、アレは本編と関係ないやろがいと申される読者様はおられるかもしれない。
でもアレ、4割くらいは拙作について呟いてるし……。
全ては新しく買ったちょっと良い外付けキーボードがくっそ使いにくい、これが悪いのです。
私は悪くありません。
ご了承のほどお願いいたします。
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