異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第1195話 【融合戦士チンクイント・その4】融合兄弟の絆、合体乳スキルに届かず
第1195話 【融合戦士チンクイント・その4】融合兄弟の絆、合体乳スキルに届かず
前回のサービスさん。
とっておきのサービスを繰り出した。
前回の莉子ちゃん。
ピュアドレスのお披露目『
ついでに胸部から発射されたみたいな感じに。
前回のチンクイント。
多分死んだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「おぎゃあああああああああああああああああ!」
開幕でおぎゃった、さすがは逆神の血を引く合体戦士改め融合戦士・逆神チンクイント太郎次郎。
だが、白目剥いて吹き飛ぶかと思いきや、ギリギリ踏みとどまる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! 足がぁぁぁぁ! 足というかもうこれ脚ぃぃぃ!! 抜けないんだわぁぁぁぁ! 床からぁぁぁぁ! ひぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
踏みとどまっているのではなく、莉子ちゃんとサービスさんの合体スキル『
抜けないけどそれ以外は何も起きない、むしろ抜けた方が吹っ飛んでダメージは初撃のみで済んだからまだ戦えた可能性すらあったのに、前向きに頑張った末に待っていたのは練乳苺色の悪夢。
普段の莉子ちゃんが放つ『
今回のケースは幾度となく繰り返された苺色の悪夢でも初めてであり、生命保険支払いの調査対象になるのは確実。
「どうして逃げなかったのですか」と聞かれると「逃げらんなかったのよ!!」と答えるしかないが、莉子ちゃんのベストバウトとして今も燦然と輝くアリナ・クロイツェルさん戦での『
半分はクイントのチンクイント。
逆神クイント太郎、ついに人生の童貞を卒業する。
「ふぇぇっ! さ、さささ、サービスさんっ!! 何してるんですかぁ!!」
「ふん。まずはスキルを止めてから喋る事だ。あの惨状。正視できん」
「ほえ? わたしもうスキル発現してないですけど?」
「……チュッチュチュッチュチュッチュ?」
「あの! サービスさんこそ、わたしの、む、むむむむ、胸から! 白いビーム出すのヤメてください!! これセクハラですよ!! わたしにセクハラして良いのは六駆くんだけなんですからね!?」
「……チュッチュチュッチュチュッチュチュッチュチュッチュチュッチュ」
サービスさんが違和感の正体に気付いていた。
「ふん。俺の『サービス・ホワイトミルク・スプラッシュ』が莉子の何とかドレスに反応して停止できていない。そのドレス。脱がせるか。……チュッチュ。それは俺がチュッチュする。では……」と脳内で完結させてニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィをキメた。
ピュアドレスはスキルを自動で防御してくれるぎゃんかわ装備。
莉子ちゃんの胸部は当然だが、莉子ちゃんのもの。
喩え膨らみがなくとも、膨らみが偽物でも、所有権は莉子ちゃんにある。
では、その胸部から莉子ちゃんのものではないっぽいけど莉子ちゃんのスキルに混ざっている、練乳ビームが放たれた場合、ピュアドレスはどう判断するか。
「とりあえずこれは装備している者のスキルって事に。ワテも初めてのことやさかい」と仮処分したらしい。
ピュアドレスは莉子ちゃんの
防御機能を停止させると練乳ビームが莉子ちゃんに害を与える可能性がある。
ゆえにピュアドレスは防御機能を展開し続ける。
装備している者の
おわかりいただけただろうか。
この子、ここしばらく戦ってない間はずーっと何か食ってて、何か飲んでた。
直近の戦闘介入時なんか、戦いながらネクター飲んでた。
お腹いっぱい。
ピュアドレスの機能は停まらない。
結果的に『
サービスさんのスキルなのに、氏は発現をヤメたのに、莉子ちゃんの
「びゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ああ……星がたくさん見える……」
チンクイントが本当に死にそう。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そんな凄惨な現場をモニタリング中の奥座敷では。
六宇ちゃんがプルプルしながら「なにあれぇ……」と戦争の怖さと愚かさとやっぱり怖さと怖さを体感しているところであった。
「なんやあれぇ……」
喜三太陛下もプルプルあそばされておられた。
テレホマンが慌てて宸襟を騒がせ奉って恐縮する。
慌てて恐縮ってなんだろう。
「陛下ぁ!! どうか、その偉大なる御力で現場へ!! チンクイント様が陛下の御来援を乞うておられます!!」
「え゛っ!? ……そうかな? でも、あれやん? ほら。ワシも仕上がる最中にBLEACH読んだんやけどさ? 誇りを守るための戦いってあれ、外部の人間が手ぇ出したらダメな空気あるよね?」
「陛下! お言葉ではございますが!! チンクイント様が守っておられるのは誇りなどではなく! 皇国!! そして皇帝陛下の御身でございます!! よもや、お二人を合体させやがりあそばせられた陛下がそのような御言葉を!!」
「……うん。冗談やで? マイケル冗談。……ちょっと行って来るわ。……すぐ帰るよ。マジで。いや、ほんとさ。若返ってて良かったわ。これ、老けてたワシだったら死んでるもん。転生ってこういう時に便利ね。ワシが現世に帰れんようになった原因やけど」
「陛下ぁ!」
「はい! キサンタ、行きまぁす!! ばぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 『
陛下が凄まじい危機感だけを友に甲冑部屋へと赴かれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「もぉぉぉぉぉ! サービスさんっ!! これ止めてくださいってば!! 恥ずかしいですよぉ!!」
「……ふん。……チュッチュ」
依然として莉子ちゃんの胸部から練乳ビームがスプラッシュ中。
チンクイントがきたねぇ花火になるかという瀬戸際、赤いマントが出現した。
莉子ちゃんにガルルルルルされたので、陛下のマントは真っ赤になってございます。
「チンクイントぉ! 生きとるかぁぁぁ!! ばぁぁぁぁ!? 痛い痛い痛い!! マジかよ、これぇ!! 威力はさっき見たちびっ子破壊光線よりずっと劣るけど、なんやねん!! 脱出できんように断続的で、しかも弾きにくい螺旋型の光線撃ってきとる!! ……この子、悪魔か? 悪魔どころじゃない。こんな発想、ワシは絶対にできんで。ハメ技やんけ……」
練乳破壊光線そのものはサービスさんの『サービス・ホワイトミルク・スプラッシュ』なので仕上がり喜三太陛下にとっては「痛いっ!!」で済む程度。
ただ、発現の仕様は人の心を問うレベルにあらず。
もう拷問するためだけのスキルみたいになっており、喜三太陛下は「このちびっ子は鬼や!! リアル鬼や!!」と角が生えているバルリテロリの臣民たちをリアルじゃない鬼に認定して、「もうこのちびっ子に角あげよ!! な、みんな!!」と決意なさるに充分な攻撃だった。
「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! 『
絶えず放射されていた練乳光線が標的を失ってようやく停止した。
甲冑部屋の戦い。
莉子ちゃんとサービスさんの勝利。
「もぉぉぉぉぉぉぉぉ!! サービスさん!!」
「……チュッチュ?」
アルティメット莉子ちゃんのデビュー戦。
白星スタート。
決まり手。胸部から放たれた白いミルク状のビーム。
◆◇◆◇◆◇◆◇
再び奥座敷。
「あ゛あ゛あ゛あ゛!! 怖かったぁ!! ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 『
戦略的撤退を華麗におキメあそばされた陛下、すぐにチンクイントを
四郎じいちゃんと六駆くんも使える、生物の構成を創り変えるスキル。
「陛下!?」
「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! あ。説明した方がいい!? これな、すぐ分離させんとどっちも死ぬ!! 分離させたら多分クイントはイケる!! チンクエは知らん!!」
陛下の
「恐れながら、お許しを得て申し上げます。陛下」
「ワシ、今回は絶対に許してない!! けどなに!? オタマ!!」
「はい。陛下。チンクエ様がお亡くなりになられますと。奥座敷を覆っているプルプル壁もお亡くなりになり、次にお亡くなりになられるのは陛下かと存じます」
「ぎゃあああああ!! 帰って来い!! 逝くな!! クイント! チンクエ!! ……あ! 六宇ちゃん! パンツちょうだい!!」
「は?」
あまりの事態に1周回って辛辣な六宇ちゃんに戻る。
「はい。陛下。こちらでよろしければ。投げ込みます」
「くっそ! 羨ましいな!! けど、これでクイントは……!!」
「おっしゃらぁぁぁぁい! なんかいいもん拾ったわぁ!!」
「そうなるやろな!!
クイントが先に分離して
弱々しく、それでも確かに「……良い」と呟いた、黒焦げのチンクエ。
融合戦士チンクイント、完全敗北。
逆神チンクエ次郎、虫の息。
逆神クイント太郎、戦線離脱。
奥座敷の機密保持、首の皮一枚でどうにかキープ。
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