異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第1025話 【無理やりにでもやる日常回・その3】椎名クララと瑠香にゃんの! 対岸の火事を見学する猫たち!! ~「すっごい燃えとるにゃー!!」「確認。確かに燃えています」~
第1025話 【無理やりにでもやる日常回・その3】椎名クララと瑠香にゃんの! 対岸の火事を見学する猫たち!! ~「すっごい燃えとるにゃー!!」「確認。確かに燃えています」~
莉子ちゃんが六駆くんを理解らせている最中。
「あたしはちゃんと初手で止めたぞなー。役目は果たしたにゃー。おっぱいビンタされたもんにゃー」と、確かに莉子ちゃんを制止したクララパイセンが夫婦喧嘩をちょっと楽しそうに観戦していた。
「ぽこ」
「にゃー」
「グランドマスターとプリンセスマスターが戦いを始めた場合、瑠香にゃんはどちらに加勢すれば良いのでしょうか。瑠香にゃんサーチによると戦況は圧倒的にグランドマスターの劣勢です。しかし、ワタシの人工知能も学習します。グランドマスターにお味方すれば、少しのタイムラグがあったのち、瑠香にゃんはバラバラにされませんか?」
瑠香にゃん最新バージョンは六駆くんと莉子ちゃんの思考パターンが濃い目に入っており、生みの親ではないが養父と養母みたいなもの。
その2人が争うと、瑠香にゃんプログラムにパラドックスが発生する。
そんなメカ猫を救うのがどら猫。
猫は気ままに暮らしていると思われがちだが、群で行動する遺伝子もしっかりと残っており、特に♀猫同士だと困った時に協力し合う傾向にある。
「瑠香にゃん、瑠香にゃん」
「はい。ぽこ」
「あたしたちがあそこに頭から突っ込んでも意味ないんだにゃー。突っ込んだ頭を叩かれるか、お尻蹴られるかのどっちかだぞなー。そもそもあたしと瑠香にゃんの強さがもうよく分からんくらい離れとるぞな? でも、あの2人を基準にするとあたしと瑠香にゃんはどっちも猫になるにゃー。つまり、猫は武神にゃ勝てんのだぞなー。今は見る時! 見て、色々学ぶと良いぞなー!!」
どら猫がにゃーにゃー鳴いているのを聞いたロボ猫。
メカ猫なのかロボ猫なのか。もうどっちが正しいのか分かりません。
「ぽこ……? 瑠香にゃんの危機管理シミュレーション機能が異常を察知。ぽこがまともな事を言っているように認識されました。ステータス『いつから瑠香にゃんは正常だと錯覚していた?』が深刻に発生中。ぽこ、何かしょうもない事を言ってください」
「にゃはー! このチア衣装だけどにゃー! 黒インナーがちょっと緩いんだにゃー!! ルベルバックのおじさんはどんなおっぱい想定しとるんだぞなー!! ブラチラ確定なんだぞなー!! でも解放感あるから、スポーツブラ外しても良いかにゃー? 乳チラも大して変わらんぞなー!!」
瑠香にゃんがにこりと微笑んだ。
彼女の表情筋もかなり柔和に仕上がってきた様子。
「ありがとうございます。ぽこますたぁ。瑠香にゃんは生物としての優位性を獲得しました。ワタシは生物ではありませんが、意思を持つ存在です。ぽこがポコってるおかげで瑠香にゃんの人工知能の熱が正常値へと低下。ぽこ。スポブラは絶対に外すな」
瑠香にゃんがまた人に近づいた。
六駆くんと莉子ちゃんを見て「あれは反面教師にしましょう」とメモリーをキメる。
「瑠香にゃん、瑠香にゃん! 瑠香にゃんのおっぱいって確か平均的な人工おっぱいだったぞな? つまり、そのメカメカした競泳水着みたいなの外したら生おっぱいが出て来るぞな? それとも柔らかプレートごとおっぱいパージしておっぱい破損するとおっぱいが家出した状態になるのかにゃ?」
「ぽこへのオーダー『しょうもない話』の持続性を上方修正。その話はまだ続くのですか?」
「持続可能なしょうもない話! これがSDなんちゃらだにゃー!!」
「ぽこによって瑠香にゃんの知能指数の低下を確認。瑠香にゃんのプレートはプリンセスマスターたっての希望で破損します。破損するとシミリート技師が本気を出してしまった人工おっぱいがポロリします。ペヒペヒエス最上位
莉子ちゃんがムチり始めて力を取り戻しつつある今。
暴走のトリガーとしてやはり最終的に仁王立ちキメるのはおっぱいであるべきだと思うのはいけない事だろうか。
現状、クララパイセンを筆頭に小鳩さんにノアちゃんと莉子ちゃんをガルルルルル化させる乙女は揃っているが、そこに瑠香にゃんも加えられた瞬間であった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
未だにリコられている六駆くんを2人で、いやさ2匹で見つめるどら猫とロボ猫。
自分に関係のない対岸の火事ほどやじ馬のしがいがあるものはないとどら猫が鳴く。
「うにゃー? 瑠香にゃん? 六駆くんはなんで莉子ちゃんのパンチとかヒップアタックとかぶちかましをダイレクトに喰らっとるんだにゃー? 防御したら余裕だぞな?」
「端的モード。口を慎め、ぽこ。プリンセスマスターのパンチは良いですが、ヒップアタックではありません。お尻を押し付けているセクシーを兼ねた抗議です。そしてぶちかましではありません。あれは『あててんのよ』と呼ばれるおっぱいスキルの最奥に位置するオールドタイプオタクが反応しがちな伝統芸です」
「なるほどにゃー。それで、なんでぶちかましをぶちかまされるんだにゃー?」
「瑠香にゃんは把握しました。これはそんなに仲良くない人に入学式とかで話しかけられて、無視してても話しかけられ続けた結果、悪目立ちするパターンと推測。回避方法は瑠香にゃんのデータベースにはありません。現役の学生の方は助けてください」
「あ。鯖折りに移行したぞなー!!」
「端的ィ! ふざけるなよ、ぽこ!! あれはだいしゅきホールドです! 瑠香にゃんサーチでネット検索したところ、『鯖折り』の参考画像にエドモンド本田を確認。ぽこ、死ぬ気か。瑠香にゃんを巻き込むな、ぽこ」
この辺りで莉子ちゃんが結婚式権を旦那から獲得して和解しました。
瑠香にゃんの人工知能がフル回転する。
「プリンセスマスターは絶対にこっちへやって来ます。そして言うでしょう。もぉぉ! 六駆くんが結婚式したいって言うんだよぉ!! と。そしてぽこが鯖折りの話を続けます。確定的な未来を把握。ぽこがバラバラになって、次は瑠香にゃんの番」と証明完了させた。
「ぽこ」
「うにゃー。このチア衣装ってスパッツよりスカート丈短いぞなー。……スカートいらんのじゃないかにゃー? ぶっちゃけ邪魔だにゃー。どうせ動いたらスパッツしか仕事しないんだし。脱いで良いぞな?」
「ぽこ! ぽこぽこぽこ!! プリンセスマスターの攻撃がグランドマスターに通るのは、グランドマスターが防御をしていないからです。グランドマスターほどの実力者になれば普通の張り手でも無意識に
瑠香にゃんがロボらしからぬ焦りを見せた結果、少しだけ語弊のある単語を使用した。
運命女神は時に意地悪。
少しの語弊を然るべき場所にお届けする事がままある。
「ねねねっ! 張り手ってなに? お相撲さんの話してたの? 瑠香にゃんちゃん!!」
瑠香にゃんは大変に高性能なアンドロイド。
表情筋はもちろん、体内の温度調整に汗のような形で蒸気を噴射するし、涙腺のような器官も搭載されている。
「この機能に意味を見出せません」と言っていた瑠香にゃんが、涙目になった。
初めて涙目である。
続けて求めた。
助けを。
誰あろう、ますたぁに。
「ぽこ。端的モード。そして緊急事態モード。たしゅけて」
「にゃはー!! キタコレにゃー!! あれ……。目からオイルが……? これが……涙……? なヤツだにゃー!! これあたし大好きだにゃー!!」
走れメロスでは冒頭、メロスは激怒する。山椒魚では山椒魚が悲しむ。
クララパイセンは喜んだ。
「莉子ちゃん、莉子ちゃん! 見てこれにゃー! インナーがちょっと大きいんだぞなー!! あたしの駄乳が迷惑かけとるんだにゃー! その点、莉子ちゃんの優等生バストは何着てもぴったりフィット! 男の子ってそーゆうのが好きだぞなー!!」
「ふぇぇ!? なんで急に胸のお話するんですかぁ? ……そうなんだぁ! えへへへへ!!」
「あと! おっぱいは盛れるけど太ももは天然ものしかダメなのが今の流行だぞな! 莉子ちゃんに風が吹いとるにゃー!!」
「太ももですか? あ! そっかぁ! わたし小柄でほっそりしてるから、こうやってショートパンツから太もも出しても下品にならないんだ!! さっすがクララ先輩! 自分では実践しないのに物知り!! クララ先輩も恋愛すれば良いのにー!!」
パイセンは「恋愛ってクソだにゃー」と鳴く代わりに「今は瑠香にゃんとにゃんにゃんしとる方が楽しいぞなー」と鳴いた。
「ぽ、ぽこ……!!」
「にゃはー!!」
対岸の火事は見物が終わったら速やかに鎮火すべし。
放置しておくと自分の巣まで火の手が押し寄せて来る。
椎名クララどら猫探索員。
この世界で最も火事に燃料を投下するのが上手い乙女であり、延焼火災から逃げる術に長けている乙女でもある。
どら猫とメカ猫の絆が深まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ところでクララ先輩って太もものバランス良いですよね! 太すぎないし細すぎないし! スカートもショートパンツも似合うし!! どうやって維持してるんですか?」
「うにゃー。ご飯食べてお酒飲んで服脱いでだるっとしてたらこうなるぞなー。ポイントは自分の欲求と素直に向き合うことだぞなー」
「そっかぁ!! じゃあ、わたしもう少しだけご飯食べておこうかな! 腹が減っては育乳できぬって言いますもんね!! おばあちゃーん! カキフライくーださい!!」
瑠香にゃんの表情筋がなんだか硬くなっていた。
「ぽこ」
「うにゃー」
「プリンセスマスターを三役昇進させる事の意味が知りたい」
「にゃはー。特になーんも考えとらんかったぞなー!!」
「瑠香にゃんは正気に戻りました。ぽこはぽこでぽこ以上でもなければぽこ以下でもないぽこでした。ぽこ。お礼は言いませんが、今から南雲監察官のスマホにハッキングしてペイペイを10万円ほどあげます」
「にゃはー。ガチャが捗るぞなー」
コーヒー飲んでた南雲さんが耳を疑った。
「なんで!? あとね、私、結構近くにいるんだよ!? 悪だくみ聞こえてるの! 瑠香にゃんくん!? ヤメてよ!?」
やっぱりどら猫とメカ猫の絆がちょっと深まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます