第19話 イシュクンディナヴィア半島
イシュクンディナヴィア半島は東大陸の北々西部にあり、細い陸地で大陸と繋がっているが、半島というよりはほとんど島嶼であると言ってよかった。
なぜならば、鳥瞰して見ると、細い陸地が幅二十メートルから百メートル、海抜五メートルから十二メートルほどの高さで、二キロメートルほど海を渉って東大陸とイシュクンディナヴィア半島主要部を繋いでいるが、潮が高ければ消えてしまいそうなこの細道は蜘蛛の糸のようなもので、陸続きと言ってよいやら、わからぬからである。
糸の続いたその先に、龍の横顔と呼ばれる、半島の主要部があり、そのまま南々東へと伸び、途中から二つに分かれ、それがあたかも口を開いた龍の横顔のように見えるのであった。
周囲には大小の島が点在し、どれも十数メートルから百メートルほどしか離れておらず、小さいものは、東西十二m南北二十mくらい。大きなもの(龍角島)でも、東西一キロメートル、南北八十キロメートルほどであった。
その異様に細長い島は、半島の中央辺りから、北西に伸び、あたかも龍の角のようである。
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