第506話そんなんだからその歳まで独身なのよ
「なんじゃそりゃ? んなめんどくさい事をして何にが変わるってーんだよ」
「そうだな、まず王が法で無くなる。次に法は王が作るものではなく時代と民衆に合わせて作り変えて行く。 そして今まで身分によって変わって来た法を、人種及び身分関係無く平等に罰する。 この三つは間違いなく行われる。 それを基盤として作り変えられる」
「おいおい……マジかよ」
俺が最初に聞いた時ですら驚いたのだからドルクが驚くのも無理はない。
それ程までに今までの常識を覆しかねない事が行われようとしているのである。
しかし、これが上手く機能した場合、王国に巣食う犯罪者達を今までの比ではない程裁けるであろう事は確かである。
「ったく、めんどくせぇ……マジめんどくせぇよ」
聡いドルクの事である。
その頭の中は、この国を捨てどの国へと非難すれば一番安全に自らの性欲を吐けれるのか考えているのだろう。
「あら、この二人が仲良く世間話してるなんて珍しいじゃない」
「あぁ? 白のステファニー・ゴルベルジュじゃねーか。 むしろ当番のお前がこの時間帯にいる方が珍しいじゃねえかよ」
「それを言われたら言い返せないわね。 今日私が担当してた荒野に季節外れのメタルスネークが現れたのよ。 それも三匹も。 その報告に来たのよ」
ステファニーは実にめんどくさそうな表情で言うと自身の武器であるレイピアを抜き出してその切っ先を見せてくる。
「ほんと、見てよこれ。 愛刀じゃないにしろ相当な業物がたった三匹狩るだけで使い物にならなくなっちゃったわ」
「それは災難だったな」
甘い声でネットリと囁くかの様な言葉でレイピアを見せ、上目遣いで見つめて来るのだがそこには恋愛感情など一切無く単に自分の財布から金銭を出したくないという思考が分かってしまう為コンラッドも思ってもいない事を口にする。
この女ならば素手でも倒せそうなのでこの場合の災難は素手で触りたく無いから潰してしまうとわかっていつつ予備のレイピアで仕留め、その呼びをタカる為にそんな演技をする羽目になって災難だなと言う意味を込めていたりする。
「もうっ、そんなんだからその歳まで独身なのよ。 少しは買ってくれてもいいじゃない」
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