第488話

 最初こそこのハイエルフ糞強姦魔ギルドマスターは「ダークエルフに頭を下げるなど出来るかっ!! そもそもことの元凶を作った大元はお主ではないかっ!!」などとここに来てまだダークエルフを見下した発言をした挙句おかしな事を言い出したので数発殴ってやれば非を認めたのか素直に謝罪を口にしだした。


 そもそもわたくしがお姉ちゃんを泣かすような事をする筈が無いのにもかかわらずこの状況を作った元凶をわたくしであるとどう考えればそんな考えに至るのか理解が出来ない。


 それでもこのハイエルフ糞強姦魔ギルドマスターを殴った後は口にこそ出さなかったがハイエルフ糞強姦魔ギルドマスターと同じ表情で「ダークエルフなんかに謝りたくない」と自分の気持ちをその表情に隠す事すらしていなかったエルフも素直に非を認め謝っているのでハイエルフ糞強姦魔ギルドマスターも糞ほどの役にはたったと言うことか。


 エルフ金魚の糞は元より何故かわたくしに懐いており最初から素直に謝っていた。

 エルフ金魚の糞の場合ダークエルフだとかなんだとかの前に脳みそが入っているのかと疑いたくなるのでダークエルフだとかというのは何も考えていないのだろう。


 それは単にわたくしが謝れと言っているから謝ったという言葉がしっくり来る。


 そんな三人を見てわたくしは決意する。


 こんな、ダークエルフを見下し蔑むような価値観や常識をこの者達に埋め込んだ大元、元凶、原因、根本、糞、兎に角根っこの部分である奴をこの拳で殴らないという考えは無くなった。


 とりあえずそいつの股間を戯言を言えなくなるように一生子供を作れないように踏み抜く事は決定事項である。


「さあ、ハイエルフ糞強姦魔ギルドマスター……エルフの王とやらの所に案内なさい」





 エルフの国(国と呼ぶには街一つしか無く小さ過ぎるのだが)は道路、家、外壁、その殆どが青白く美しい石で出来ていた。


 それらで出来た街は美しく、その中心にそびえ立つおとぎ話に出てくるかのような城が更に幻想的な雰囲気と美しさを感じさせ訪れたものを魅了させる。


 しかし、その街を歩いて行くたびにマリアンヌは苛立ちを募らせ、そのマリアンヌにより半ば強引に連れて来られた形のフィオは顔を曇らせていく。

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