第487話ハイエルフ糞強姦魔ギルドマスター
その為かお姉ちゃんは「自分なんか」が口癖でいつも自分より他人を優先してしまう。
クロ様と一緒に旅に出たい、一緒に生活したい、一緒にお喋りしたい、そう言った気持ちを誰より強く抱きながら誰よりも臆病な、優しく強くそしてか弱い……そんなお姉ちゃんなのである。
わたくしが泣いてる時や怪我した時、魔術を使えないお姉ちゃんは必死にあやしてくれたり、薬を作ってくれたり、ウィンディーネにクロ様のパーティーの枠を奪われた時はその柔らかく大きな胸を文句も言わず「私にはこれくらいしかできないから」と一晩中貸してくれた時もあった。
本当は自分が一番悔しかった癖に。
そんなお姉ちゃんを、こいつらはダークエルフってだけでまるで汚い何かであるかの様に宣いやがったのだ。
お姉ちゃんをバカにした事、例え神が許してもこのわたくしが絶対に……許さない。
「デモンズゲート」
お姉ちゃんの前で泣かせ、土下座させて、その頭を踏みつけ、クロ様にボロ雑巾として使い潰して頂いたあとに殺してやる!!
「ふえ……?」
「お姉ちゃんっ!! 聞いてくれよっ!! こいつらがお姉ちゃんの事……」
「ふえぇぇええええええっ!?」
そう思いわたくしはお姉ちゃんを連れて来ようとデモンズゲートを開くと、そこには風呂上がりなのか着替え途中の下着姿であるお姉ちゃんの姿があった。
「うぐっ……ひっく……もう、クロ様のお嫁に行けない身体になってしまったわ……」
「大丈夫っ、大丈夫だよお姉ちゃんっ!! 大事な部分は全部下着で隠れてて見られて無いからセーフだよっ!! むしろノーカン! こんなの犬に噛まれたとでも思ってさっ!! ねっ?」
あれから数十分お姉ちゃんであるフィオ・フィオーネティア、クロ様からはフィフィーと相性で呼ばれる程クロ様に近しい家臣の一人である。
そのお姉ちゃんが下着姿をここにいる者達、糞虫共に見られてしまいお姉ちゃんは人目もはばからず声を出して泣いた後、現在はぐずり、いじけ、落ち込みまくっていた。
それもこれも──
「お前たちのせいでお姉ちゃんが傷つき泣いてしまった。 その責任をどう取るつもりだ?」
「ごめんなさい」
「すみませんでした」
「申し訳ありません」
わたくしの問いにエルフ金魚の糞、エルフ受付嬢、ハイエルフ糞強姦魔ギルドマスターと順に謝罪して行く。
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