第452話トリプルSランクの端くれ
「人間というのはゴブリンの様に沸きやがる。 流石ゴブリンよりも個体数が多いだけの事はあるな」
「それはどうもっ!」
「しかしお前達人間はゴブリンと違い増えたら増えた分我々の住む場所を奪って行くからなおのこと達が悪い」
「魔獣などっ、お前達の同胞を殺している事には怒りは無いのかっ?」
「それがどんな状況だろうと意味があろうと無かろうと他の種族の命を奪うのは生きていれば当然の事。それに怒りは無い。 現に今現在我々は住む場所を賭けて貴様達人間を殺そうとしているでは無いか」
魔獣の攻撃は鋭く、ギルドマスターであるラビンソンさんの邪魔をしない様に防いで行くのだけで精一杯である。
にも関わらずラビンソンさんは腕一本落とされていると言うのにあの化け物と会話できるだけの余裕があるあたりやはりラビンソンさんもまた化け物であると再認識する。
この戦いぶりを見せられるとラビンソンさんがギルドマスターになってくれて正解だったと思わずにはいられない。
そもそも今回のような優先度の高い情報や依頼から飼い猫探しやその目撃情報など優先度の低い情報依頼と言ったものまでギルドに関わっている以上当たり前であるが一度ギルドを通して表に出される。
もしラビンソンさんがギルドマスターになっていなかった場合情報が表に出されてから対処しに行っていただろう。
ギルドマスターだからこそ今回情報を真っ先に入手し食い止めに行けたのである。
もしギルドマスターで無かったらこの化け物とその周りの魔獣達は街へと既に侵入していたのかもしれないと思うとラビンソンさんには悪いがギルドマスターになってくれて良かったとこの時ばかりは思ってしまう。
「しかし、しぶといな人間。 まさかこれ程まで粘られるとは思わなかったよ」
「これでもトリプルSランクの端くれだからなっ!おっと、」
「全く、先程のを防ぐか。 時間かかればかかる程状況は不利になって行くからそろそろ終わりにしようか。 スキル【身体能力向上】さらにスキル【能力向上値上昇】」
「逃げろ!!逃げてギルドが経営してる宿屋にいるあの方達に助けを求めて来い!早く!」
「これが終わったらエール一杯奢って貰いますからね!」
ここまで知能が高い魔獣の時点で嫌な予感はしていたのだが、その予感は当たり目の前の化け物がスキルを使用する。
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