第416話緋色皇竜
『最後、ベッテン……英雄憑依は良いのだけど……憑依した英雄と使う獲物が、そもそも合っていない。ベッテンが出した槍は……どちらかと言うと西洋の様な硬い金属性の槍……憑依した英雄は日本の英雄で、日本の槍は基本細く長い竹が本体。……金属の槍は突く事に優れ、竹の槍はしなる為叩きつけるように……使う全くの別物。せっかく憑依した、または装備した武器を十全に扱い切れないのは……勿体無い』
『それでもちゃんと倒せた事は変わりないです……お疲れ様です。そしてなんだかんだ言いましたが危なげなく倒せましたね。さすが自慢の弟子達です』
そして最後にリーダーであろう女性が労いの言葉を言い、褒めると緋色亜竜を倒した三人は物凄い嬉しそうな表情を各々しだす。
その表情を見る限りではこもパーティーのリーダーは後輩冒険者からかなり頼られ信頼されているのが見ただけで分かる。
その光景からその信頼を得れるくらいは表の顔は人格者を演技しているのかもしれない。
本来であれば、緋色亜竜、それも亜種をたった三人で討伐出来るレベルともなればトリプルSすら簡単に手に入り宮廷魔道士、それもそのトップにだって簡単になれるだろう。
それを教えず丁稚の様に扱う環境で彼女達を同じパーティーに入れているのである。
同じパーティーにも関わらず同等の扱いをしていない時点で透けて見えるというものである。
「リーダー…………あ、あああ……あれ……っ!」
そんな考えを頭で巡らせていた時、リラがまるで恐怖に押し潰されそうになりながらも俺の肩を叩くと背後の空を震える指でリラがこの様に怯える原因を指を差し、その存在を教える。
「どうしたリラ……そんな、今から殺されるような顔をして………は?」
「…………こいつはヤベーな……奴らだけでなくこちらの存在にも気付いてるみたいだな…………多分逃してくんねーな、あの怒り様は」
「………し、死にたくない……あたいはまだ、死にたくない……」
初めて見るその衝撃たるや、まさに別次元の生き物。
人間ではどうやっても勝てない存在だとその巨躯、その爪、その牙、その全身をもって教えてくれる……まさにそんな存在である。
「緋色皇竜………なんでこんな場所に……」
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