第171話この匂いは子宮に効きすぎる
「確かに、ロイの言う通り我々の計画上我々の存在を世間に知られては困る。だが、これ以上メンバーから欠員が出ても困る。それに奴を倒した所で魔王アーシェはどうする?」
「そんな事は決まっている。アーシェ•ヘルミオネもクロ•フリートも俺が殺す」
軍服を纏った男性がロイという男性に質問で返すとロイにしては珍しくその顔はいつもの飄々とした表情では無く内なる感情を隠しもせず表に出し、二人とも消し去ると宣言すると側に立て掛けていた自身の身長よりも長く、大きな大鎌を手にし話は終わりだと言いたげにその場を出て行く。
「リン、ラン」
「「なんでしょうっ!?お婆様!!」」
「ロイの後をつけて来なさい。何かあれば……回収して来るんだよ?」
「「分かりましたっ!!それでは行ってきます!!」」
そしてロイが部屋を出た後、ローブを被った老婆が十歳前後の男の子と女の子を呼ぶと、二人にロイの後をつけいつものように回収する事を命令する。
すると二人はロイの後を音も無く瞬時に姿を消す。
その子供二人には血色が無く全体知的に紫がかっていた。
◇◆◆◇
クロさんがここカウベル亭に来始めて早五ヶ月位の月日が経った。
そのクロさんはレニアさん達の講師でもありサラさんの彼氏でもある。
「はぁ……」
これで何度目かのため息を吐く。
私がサラさんぐらい魅力的な女性ならクロさんを彼氏にできるのだろうか?
いや、出来ないだろう。
そう思いながら自分の胸を軽く揉む。
この胸がコンプレックスで今まで男性との交流は学校のクラスメートの挨拶ぐらいである。
花も恥じらう年齢も過ぎ、周りはどんどん結婚して行き気付けば私は二十歳である。
いわゆる行き遅れという奴なのだ私は。
だからだろうか……この匂いは子宮に効きすぎる。この匂いのせいで毎日自分を慰めずにはいられなくなってしまっている程に……。
「あら、ターニャさんじゃない」
「ひゃっ!?だ、誰ですかっ!?ってキンバリー……驚かさないで下さい」
するといきなり肩を軽く叩かれビックリしてしまうのだが、しかしそれがギルド受付嬢で私の友人でもあるキンバリーだと知り安心する。
「まあ、それはさて置き……ターニャさん、今ここで何をしてたんですか?」
「な、なななななななっ……何のここ、こっ…ことですか?お客様の衣服をこれから洗濯しようと思っていたところですがっ!?」
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