第170話対処のしようがない化け物
「お師匠様!!このスキルの躱しかたなんですがっ!!」
「分かった、今行く。どのスキルだ?」
「【剛掌打•三連】ですの」
「避けようとしても拳が私達の動きを予測しているかのように追尾して来るんです」
「ああ、それはな……」
◇◆◆◇
「この話が本当なら神成者ルル•エストワレーゼは死んだとみて良いんだな?」
「俺は生きてると思うけどな。あの魔眼女は俺らでも対処のしようがない化け物なんだぜ?まあ一度は犯してみたい女でもあるな。」
「黙らぬか。下品な」
広さはあるが灯りがなく、昼間だというのに仄暗い部屋の中に長机が真ん中に置かれ椅子が十二脚据えられてるのだが今現在その椅子に座っているのは五人。
「勝手に敵視し潰れるのは構わないが俺を巻き込むな。ルルが敗れた時点で奴は俺らより強い。認めるしかないだろ」
「誰が認めるか!!この世界で一番強いのは儂じゃ!!」
その五人のうち一人の発言に聞き捨てならないと老人が激昂する。
「……どうやら死にてぇらしいなクソ爺。五体満足で死ねると思うなよ?世界一?この俺よりも弱いのにか?」
「いつ儂がお主より弱い事になったのかの?………」
「………フン、小細工が通用するとでも思ったのか?」
そう言うなり彼と老人の間で甲高い金属音と共に文字どうり火花が散る。
「……喧嘩は許さないよ」
「………命拾いしたな小童」
「貴様がな」
そして一触即発な空気をローブで身体を覆い隠した老婆の一言で収まりを見せ始める。
「お前さん達が闘った所でルルでは勝てなかった事実が変わる訳じゃなかろうて」
「しかしな婆さん…ルルがあの野郎に負けて出来た欠番はどうすんだ?そして奴は我々の存在を明るみに晒してしまう危険性もある。ルルの存在は生きる死神として世間に知れ渡っていたのだが我々神の領域に住まう者の存在はまだ知られて居らず天災として扱われていたが、今後奴に手を下そうとすれば人の目は避けられないだろう……タダでさえ我々の領域に土足で踏みにじりやがったんだ。ピリピリするなという方が無理ってもんだぜ」
しかし場の空気までは変わらず緊張感が漂う中、顔にかかっている長い金髪を鬱陶しそうにかき上げながら唯一緊張感とは無縁のように思える飄々とした男がしゃべるのだが、しかしその眼には確かな怒りを宿しているのがうかがえる。
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