第164話お、お父さん?
「そ、そんな……魂喰いのオストロスは眼の能力が無くなってもこんな現象は起きなかったはず……ルルの身体はそれに耐えうる器では無かった……という事なの?」
しかしそれが分かった所で目の前の状況か好転する訳もなく、ルルは気を失い倒れても尚ルルの身体は消滅しようとしているのが解る。
「スミマセン、マスター……ミッション失敗の……ようです……」
そしてこの状況で何が正しく、何が悪い手なのか解らずただただ見つめる事しか出来ない楓は内から湧き出し、己の中で暴れ始める感情を制御出来ずそれが形となり楓の眼から溢れ落ちると硬く握り締めた拳に水滴となって落ちる。
「それが悔しさと言う感情だ。そして助かった、ありがとな」
ただただ立ちすくむ楓の頭に手を置かれ、優しく撫でられる。
れが無性に誇らしく、そして今は後ろめたいと楓は感じてしまう。
「ま、マスター………スミマセン」
「謝るのは全て終わってからだ。まだ終わった訳ではない」
そしてその手の主であるクロが一旦気絶した事により、クロがエンチャントした魔術【光の壁】が消え自由になったアルに身体を支えて貰いながらゆっくりとルルへと近ずいて行く。
ルルの身体はその眼に宿した魔力供給が無くなり、その魔力を軸に形成していたルル身体は消滅しようとしているのか?
そう思えばしっくり来るのだが魔力が原因かも知れないと思ってもクロが解らないのは仕方がないのかもしれない。
しかし、前世ではあり得ない話なのだがこの世界では魔力と言うものがあり、魔術を扱う事が出来る世界なのならば魔力が原因の病気や、こう言った症状があってもおかしくは無い。
「だったら、一か八か試してみますか……」
この世界に初めて降りた時に感じる感情は悔しさよりももっと別の笑顔になれる何かを感じて欲しいと思うのは無料配布キャラ楓降臨クエストを周回し、楓のステータス強化と感情を育ててきたが故なのか、それとも自分をマスターと呼んでくれ慕ってくれる楓故だからなのか、多分その両方だろう。
ならば意地でもやるしかない。
そしてクロはおもむろにルルの頭に手をかざすと、自分の魔力をルルに流し込み初めてた。
ただ流し込むんじゃなくて………充電するイメージで……。
クロはレニアの借家で魔力を魔法石に充電した時の経験を思い出しながら今一度それを実践する。
「………お、お父さん?」
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