第161話魂の在り方が違います
「マイマスターの身体に…無視出来ない異変を感じ……勝手ながら召喚されてみれば…………貴方……許しません」
「許さないのは私の方よ。これからまさに極上の食事に有り付けると言う瞬間にお預けされるなんて……許されると思わない事ねっ!!お詫びに貴様から喰って上げるっ!!」
そう言うとルルはクロにやったように楓の魂を喰おうとするのだが、力強い魂を感じるも食す事が出来ないでいる。
「無駄です……アーティファクトである私では……根本的に命ある者達とは、魂の在り方が違います………さらに魂喰いのオストロスよりも貧弱な、その眼だけでは……貴女の負けは覆りません」
一見涼やか、飄々と、そして緩やかに喋り気持ちの起伏が感じられない様に見える楓だが、その内心は怒りで溢れている事にルルもアルも気付いていないのだが、アルもアルでクロがタダで負けるとは思ってなく案の定次の一手を倒れる前に打ったと思えば出てきたのはメイド服を着た巨乳メイド、巨乳…メイド、そう巨乳である。
アルもまた怒りで溢れている。
「貴女……何で食べれないのよ!?何で!?何で何で何で何で何で何で何で何で何で!!……どうせ食べれないのなら……だったら魔術でグチャグチャにしてあげる!!水魔術段位二【水の加護】そして水魔術段位七【硫酸の津波】ッ!!」
「水魔術段位四【禁止令】対象、【硫酸の津波】」
ルルが水魔術段位二【水の加護】を使用し、水魔術段位七【硫酸の津波】をカウンタースペルにより打ち消されないようにした上で楓に、文字どうり楓をグチャグチャにしようとするのだが、ルルが詠唱した打ち消されないはずの【硫酸の津波】が霧散し、消え去る。
「……な、何で?カウンタースペルじゃ打ち消されないはずよッ!?」
そして【水の加護】を発動させ、【硫酸の津波】を詠唱したルルは勝利を確信していたのだが、次の瞬間には【硫酸の津波】が無残にも目の前で消え去り、何が起きたのか理解が追いつかず狼狽え始める。
「打ち消されないだけで対象には出来る」
そしてそんなルルに何が起きたのか短く答える楓だが詳しく答えるつもりは無いらしい。
「貴方は……私に感情を与えてくれたマイマスターを……こんなにした大罪を……後悔しながら悔やませて……あげるわ」
そう言うと楓はゆっくりとルルの方へ歩み始める。
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