第139話性格は大人しく聡明で、出来た娘である
この世界では、よく読む異世界物の奴隷との食事シーンのように奴隷が床で物を食べるという習慣は無いらしくちゃんとテーブルで食事を取るのだが、一応断りを入れなければ隷属の効果によって食べれないと知るのは後になってから知るのだが、問題はそこではなく、アルがこのあと発した言葉である。
アル曰く、今まで食べたどの高級シチューよりも濃厚で味に深みがあるらしい。
何故だ。その言葉を聞いて脂汗が止まらない。
「御主人様よ、お腹空いて無いのか?なら俺が食っても良いか?こんな旨いシチュー始めてだよっ!」
「ああ、今は何故か食欲が湧かなくてな、俺の分も食って構わない」
そしてアルがクロの了承を得てから、クロの分も食べ始める。
クロとしては是非食べて下さいと言いたいぐらいだ。
「しかし、お前隷属された初日だってのに余裕があるように見えるな」
「起きてしまった事は仕方ないだろう?この結果はお前の力量を測れなかった事と自分の力不足が招いた結果であり、自業自得だ。それに喚いたり落ち込んだりして現状打破出来るのならとっくにやってるさ。むしろ無意味な行為に時間を割く方が俺からすれば馬鹿げてる」
と一旦食べるのを辞め、イケメンよろしくキザったらしいいい笑顔で話すアル。
こういう性格だからこそ先ほどの脳筋プレイなもかもしれない。
腹の探り合いには弱いのかも知れないが、俺がもしアルの様な性格をしていたら、もしかすれば俺は元の世界で上手く生きて行けたのかも知れないとありもしないもしもの出来事を想像してしまう。
食事中サラから『今日は残業が多くて帰りが遅くなるから来ないけど明日は休みだから朝からそちらへ迎えに行く』と連絡が来たので食事を終えるとハナコの娘ターニャが食事中に部屋の移動をしてくれたらしく、新しい部屋を案内してくれるという。
と言っても部屋に置いてた荷物は殆どサラの私物で、量もそこまでない為手提げ袋1つで事足りるぐらいの量なのだが。
そして部屋を案内してくれる間ストレージの事をターニャが羨ましそうに語っっていた。
そんな感じで目を輝かしながら話して来るターニャは父親であるマルコと同じ立派な角を二本生やしている。
その角を前世の生き物に例えるとバッファローの角のそれであり、怒らせてひと突きなんてされる事を想像するのも怖いのだが性格は大人しく聡明で、出来た娘である。
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