第138話女性奴隷を買いたいと思う時期も有るんだよ
「そうはいかないよ。サラも女性だ。お前達男性が思っている以上に繊細な生き物なんだよ」
「いやしかしだな、女奴隷を買うなんてクロも男性だ。女性には分からないだろうが男性もまた繊細な生き物なんだ。女性奴隷を買いたいと思う時期も有るんだよ」
「成る程、お前さんは私という者がいながら女性奴隷を買う繊細な気持ちが分かるって事かい?」
「いや、そそそ、それはだな……おっと、ま、まだやり残してた大切な仕事があったんだった。そうだったそうだった。じゃあ俺はその大切な仕事を終わらす為にちょっこら行って来るわ」
そういうとここの宿の亭主であるマルコ・カルロスがその妻、ハナコ・カルロスから滲み出る殺気を感じ取りそそくさとこの場から、取って付けた様な言い訳をして立ち去る。
しかしこの二人は相変わらずクロの話を聞かないみたいで先ほど言った『奴隷は男性である』というのと『サラとは付き合っていない』という内容は頭から抜け落ちているみたいである。
いちど彼らの耳と頭を切り開いて異常があるか調べてみたいものである。
「たく、先生はどうやら性欲が少ないみたいだからうちの旦那とは違うのだと思っていたのだが、先生も同じ男性という事かい。ほら、今晩の夕食だよ。一応今日はサービスで奴隷の娘にも食事と寝具などは用意してあげるけど明日からはちゃんと代金貰うからね」
「すみません、助かります」
そしてハナコはそういうとクロが座ったテーブルに本日のメニューである食事を運んで行く。
食事のメニュー内容は濃厚シチューとパン、そしてサラダである。
この街に来てある程度周った結果、ここの御飯が一番クロの舌に合っており、いたく気にっているのだが、ここで泊まり始めて2週間弱、初めての乳製品である。
「最近お乳がなかなか出なくてね、もう歳なのかしら?。絞るのも一苦労よ」
そして追い討ちのようにハナコが聞き捨てならぬ事を言いながら「肩がこった」と肩に手を当て腕を回す。
「御主人様よ、これを俺が食って良いのか?」
「ああ…」
そしてアルが目の前の食事を食って良いのか?と聞いて来るのだがクロは返事を返すので精一杯であり、その事に気付いているのかいないのかアルがスプーンとフォークを手に取り「これ旨い!」とバクつきながら食べて始める。
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