第3話 キメラの寿命 Part1
ローズフェスティバルの事件の次の日。
~クラウディア~
パトロール中のオリビアとチェイス。心ここに在らずのオリビアを横目を見ているチェイス。
「なに」
それに気が付いていたオリビアは、ため息をつきながらチェイスを睨みつけた。
「いや・・・あのさ、あのルーカスって男?お前の知り合いなの?」
「知るわけないでしょ、あんな変態。どーせあの父親の仕業よ・・・いつもいつも私の気持ちなんて考えたこともないくせ。余計なことばかり押し付けて・・・」
「オリビア・・・」
少し取り乱すオリビアに、声を掛けようとしたチェイスだがそれを遮られる。
「やぁ!!私の愛しいオリビア!!」
やけにキラキラした笑顔で、彼女たちの目の前に現れたのは噂のルーカスだった。
彼の突然の登場に、思わずフリーズしてしまうオリビアとチェイスであった。それを見たルーカスは、大きな声で笑い出す。
「ハッハッハッ!!!そんなに私に会えて嬉しいのかい?オリビア」
「困惑してるんだっっっ」
ルーカスは、そのまま足音も立てず素早くオリビアの背後に行き彼女を優しく抱きしめた。
「フフフフッ。そんなことを言って本当は、嬉しんだろう?」
「離してっ!!!」
「嗚呼、愛しい私のオリビア。そんなに逃げないでおくれ?追いかけたくなるだろう?」
「この変態がっっ!!!!」
勢いよくオリビアは、ルーカスの足を踏み抜こうとしたが素早くそれを回避されてしまった。
「そんな強気な君も愛らしい」
「おい。オリビアから、離れろ」
「君は?」
チェイスは、拳を構えてルーカスに殺気を送った。
「オレは、オリビアの従者チェイス。それ以上そのバカ困らせたらこのオレが相手だ」
チェイスが送る殺気を嬉しそうに、受け取るルーカス。
「君は、チェシャ猫とのキメラかい?」
「だからなんだ」
「なるほどね。だから、ローがくしゃみをしていたのか」
「は?」
「ローは、猫アレルギーなんだ。・・・特に野良猫は、ね」
あからさまに、チェイスを煽るルーカス。
「ふむふむふ。そうか、君を倒さないとオリビアの心も体も手に入らないのか・・・そうか。ならば、喜んで君の元々少なかった寿命を亡くしてあげよう」
「はっ!!やれるモンならやってみろ」
「でも、君が居なくなって悲しむ人がいるんじゃないかい?」
「そんなの・・・居るわけねえだろ」
「それが君の答えかい?・・・そこのレディーの気持ちは、どうなんだい?」
ルーカスのさす指の向こうに居たのは、ソフィアだった。
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