第15話 国と国の狭間で3 嫌悪との遭遇
いつも通りジープを走らせてました。辺りは真っ暗です。なんと今日は野宿です。はあなんてことでしょう困りましたね。予定では今頃どこぞの国で観光を楽しんでいるのに。地図が間違っているですよ。決して私が方向音痴だからではないですよ。多分、、、。
野宿に食料でも取ってきますか。私はジープから降りてクロスボウを取り出します。近くの木を狙い三本ほど撃ってみました。全部外れた。仕方なく木に登った後レイピアを抜きます。謎の木の実を取って少しかじります。うん毒はない。そして木から飛び降ります。
河原に行って取ったばかりの果実を丁寧に洗います。ジープのある場所に戻りマッチをすりランタンをつけて近くのマルタに腰を掛け星を見上げます。今日は一段と星が綺麗ですね。。周りに何もないからでしょうか。星は寂しさを紛らわしてくれます。いいものですね!果実の味はしませんが。
さて食事も終わったことですし力私の使える異世界らしさの話をしましょう。私は5歳からずっと異世界無双系にあこがれていました。しかしスキルもアーティファクトも持っていない私ではどうやってこの世界でどう強くなれるのか?簡単ですね。剣術です。それからはずっと剣を振りまくりました。葬儀屋は護身術も教わるのでエテルナ先生がかなりの使い手だった事もあると思いますが。決して神からの贈り物ではないですよ。神からの贈り物もありますがあまり使いたくはないです。
[もしもし聞こえますか?]
うわ、、、。急に恐ろしい程流暢な日本語が頭の中に声が響き渡ります。
「久しぶりですねゴキブリさん。いきなりですが帰ってくれませんか?今いいところなので。」
[ホントいきなりですね、寂しそうなのできたんですが。]
「呼んでないです。」
[そんなこと言わないで2人で語りましょうよ。]
「絶対に嫌です。私がどれだけあなたのことを嫌っているかまだわからないようですね。」
[皆さん初めまして神様でーす。]
無視した上に勝手に自己紹介を始めました。意味わかりません。
「ゴキブリさん黙ってくださいね。」
[ひどいです。人のことをゴキブリ扱いなんて。せめてGにしてくださいよ。神なんですから。]
「似たようなのものじゃないですか。ゴミでもいいですよ。頭文字がGですから。」
[変わってないじゃないですか。少し変わったと思ったら私に対する態度は全く変わらないですね貴方は。]
「それで何の用ですか?ないなら帰ってください。」
[貴方のことを語るには私が不可欠でしょう?]
え?いりましたっけ?
[それにもうすぐあなたの過去語りなんですから。]
「はい?何言ってるんですか?」
[こっちの話です。]
どっちだよ!まあいいでしょう。
「はあ。譲る気はなさそうですね。仕方ありませんねあなたに気を許したわけじゃありませんよ勘違いしないでくださいね!」
[ツンデレですか?可愛いですね。]
言わなきゃよかった、、、。いつぞやの笑い声の犯人はこの方でした。最低!
「そもそもよく来れましたね。私に罵倒されることをわかっていたでしょうに。」
[そろそろ神嫌いは治ったのかなと。]
「どうであろうとにしろ神は嫌いです。恐らくこの考えは一生変わらないと思いますよ。」
[それはとても残念です。私は頑張ってるなーと思ってるんですが。]
「ゴキブリさんに褒められてもうれしくないですけどね。」
[ぐすん。神にこんなこと言う人ってホント失礼ですよね。]
「ドンマイですね。」
思ってませんが。
[あの時の友情はどこに行ったのやら?]
「まああれはあれということで。」
[ラディアの過去をお知りになりたい方はプロローグをご覧ください。私とのの出会いをお知りになりたい方は葬儀屋の過去語りをご覧くださいね。]
「さっきからのホント何言ってるんですか?」
[ですからこっちの話です。今日は久々に話せて楽しかったですよ。]
「私は不快で死にそうです。」
[ひどいです!神のことをなんだと思ってるんですか!]
さっきから態度全然変えてませんけどね。
「え!ゴキブリさんかゴミのどちらかっていったじゃないですか。」
[貴方に聞いたのが間違いでした。まあ困った時はいつでも頼ってくださいね。]
「もう二度とあなたの出番は無いと思います。」
[・・・。それではさようなら。]
頭の中声が消えていきます。ちょっと強く当たりすぎてしまったでしょうか?そんなことはありませんね。
私はもう一度レイピアを抜きます。手入れを忘れていましたからね。私は剣術は相当なものだと思いますが。今はこれくらいしか誇れる物はありませんから。
私は歯磨きをした後ジープに乗り後ろの席を倒します。スペースの空いたところに布団を敷きます。そのまま何も考えず布団にくるまって目を閉じます。ゆっくりと眠りにつきました。
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