第43話 あ、やり過ごせそう

簡単な割り算です。

30000÷10=?

この答えが今月中毎日書かないといけない文字数だよ♪( ´▽`)

ちなみにいつもは1000-2000字です♪

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「とりあえずザウラの洋服は要チェックだよね〜」

「あと隣にv anもあるからそこの洋服も見ておきたい!」

「OK!まずは、その辺行ってみようか!」


相田たちはエレベータに乗り込むと中で盛り上がって話をしている。


…あぶねー。

どうやら話に夢中で俺に気がついていないようだ。


しかし君達、声が大きいよ。

こいつら、いつもこんな感じで話しているのだろうか?

他の客がいたら迷惑だと思う。マナーは大事である。

やっぱり民度低いんだよな…。



土日くらいは平穏に過ごしたい。

次の階でささっと降りてこのままやり過ごそう…。


そう思っていると、いきなり相田の取り巻きが俺に声をかけてきた。

「すみません。1階押してもらえますか?」


…エレベータのボタンの前に立ってしまっていたから声をかけられてしまった。


もしかして顔見られたか?

ダメじゃん。終わったじゃん…。


バレたと思って彼女に村井くんじゃーんと指摘されるかと思って反応を待っていたが、特に彼女は何も言ってこなかった。


「…」

「…」


「え、あの、1階押してもらえますか?」

「あ、すみません」


危ない。押してなかった。

慌てて一階のボタンを押すとそれ以降彼女は話しかけてこなかった。

ただ、なんとなくこっちを見ている気がする。


…でもなんか、これバレてなさそうだぞ。

そうか。神代…じゃなくて紗理奈も彩香も最初コンタクトの俺を見ても気が付かなかったもんな。気づかれなくてもおかしくないか。


俺、眼鏡かけてないのと髪を上げてるとかしてるだけなんだけど…本当にそこまで印象変わる??

ちょっと腑に落ちないが、みんなの反応を見るとどうやらよっぽど別人に見えるだ。嬉しいような悲しいような気分だがここではラッキーなことだ。

ここは別人のふりをして乗り切ろう。


そう思っていたが、取り巻きAがじーっと俺のことを見ている様子に相田と取り巻きBも気が付いたようで「どうした菜月?」と今度は相田達もこっちのほうに視線を向けてきた。


「…」

めっちゃ見られとる。


「…あ」

「え、美咲?どうかした」

「…ううん。なんでもない」


じー。


…一瞬気づかれたかと思ったが話しかけてくる素振りはない。

これまでの感じだと俺だとは気が付かれていないはずだ。

多分。


そうこうしているうちに、ようやくエレベータのドアが開く。

俺は足早にエレベータを降りるが、結局彼女達に声をかけられることはなかった。


絶対バレると思ったが、本当にそんなに見た目が変わってるのか…。

今度から学校の連中と会いたくない時はこの格好で出歩くのはアリかもしれないな。

ほとんど外に出歩かないけど…。


ただまあ2階で降りたはいいのだが、帰るには1階に行かないといけない。

彼女達はどうも3階の連絡通路からショッピングモールに来たようだ。さっき一階へ降りていったので、今すぐ降りるとまた鉢合わせしてしまう可能性がある。


なので俺は少し2階で時間を置いてから一階へ降りることにした。


まあ色々見て回ったし、相田達と遭遇したことに驚いたことで、ある意味気が紛れた。おかげでカフェの恥ずかしい体験が相対的に薄まったよ…。


もう大丈夫だろうとエスカレータを降りショッピングモールを出る。

外に出ると辺りは少し薄暗くなってきていた。


さて、帰るか。

駅に向けて歩き出す。

と急に背後から両肩を掴まれた。


「あっぶな!危うく逃すところだった…ねえ、イケメンのお兄さん!今暇でしょ?私と遊ばない?」


「…」


聞き覚えのある声である。

背後を振り返ると、やはり奴であった。

相田はニヤニヤと笑って俺の肩に手を置いていた。


…ですよねー。

やっぱり顔見りゃわかるよねー。

そりゃバレるわ…。


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